女性と別れるとき、修羅場になるかどうかの分かれ道とは
別れ話で、女の地雷を踏む男の行動とは。
メールやLINEで一方的に別れを告げるのはNG
最近よく聞くのは、30代くらいの男性でも、別れをメールやLINEで告げるという話。最初は本当なのかと信じがたかったが、実際、体験した女性がいる。トモカさん(32歳)は、1年つきあった同い年の彼に、ある日突然、LINEで「もう会えない」と告げられた。
「どうして、と問い返したけど、そのまま返事はない。既読にもならない。電話しても出ない。お互い独身だから、なんとなく結婚も視野に入れていました。彼のほうも、『今度アパートの更新が来たら、一緒に住むことも考えようよ』と言っていたのに……」
理由がわからないのがつらかった、と彼女は言う。しかも、そんな大事なことをLINEで告げるなんて。
日にちが経つにつれ、彼への怒りが募っていく。別れたいなら、きちんと目の前で言ってほしい。そう思うのは当然だ。それがつきあってきた人への最後の誠意だろう。
「どうしても我慢できなくて、仕事を抜け出して、彼の会社の前でランチに出かけるのを張っていました。私も会ったことのある彼の先輩と一緒に出てきたので、前に立ちはだかって『どうして別れたいの? どうして直接言わないの? 姑息なことをするんじゃない!』と声を張り上げてしまいました」
彼はトモカさんの腕をとって連れていこうとした。「助けて」と彼女は大声を出した。先輩が駆け寄ってきて、彼の腕を払ってくれた。結局、その先輩を交えて話し合った。彼は先輩に顔向けができなくなっただろう。
「そのくらいのペナルティは当然じゃないですか?」
トモカさんは、その後も彼のことを思い出しては憎しみを募らせることがあるという。
人の気持ちは変わる。もう好きでなくなったり、他に好きな人ができたりしたのなら、しかたがない。はっきり言ってもらえば、泣いて泣いて、最後にはあきらめる。だが、何も知らされないまま、いきなり気持ちを断ち切られるのは、やはり許せないものなのだ。
不倫の別れ話は、より慎重に
保身のために逃げ腰になる態度に、器の小ささを感じてしまうのが女性というもの。
「ひと回り年上の職場の上司とつきあって3年、もともと略奪する気もなかったし、結婚願望もなかった。だけど、ことあるごとに『妻とうまくいってない、きみとだったらいい家庭が作れるのに』と言う彼に、年齢的なものも手伝って、うっかり結婚を夢見てしまったんです。それが彼に伝わったのか、ある日突然、『オレはきみにはふさわしくない。きみの人生をムダにしてはいけない』と言いだしました。何それ、と思いましたよ。本当はこのままだと責任をとれと言われるんじゃないかと考えたか、あるいは妻に疑われてびびったかのどちらかでしょ。あれほど『ボクにとって最後の恋。きみさえよければ一生つきあっていきたい』と言ってたのに、手のひらを返したような言い方に腹が立ちました」
アカリさん(38歳)は顔をゆがめた。
「オレはきみにふさわしくない」――そもそも既婚でありながら独身女性とつきあうなら、はなからわかっていたことである。それを体のいい別れ言葉に使う。女は、やはりその姑息な態度に怒りを覚えるのだ。
アカリさんは、つきあっている上司のさらに上役に不倫の事実を訴えた。
「ついでに彼の家にも電話して、奥さんに言っておきました。会社を辞めさせられてもいいと思っていた。刺し違えてもいい、彼の社会的地位を奪ってやりたかった」
結局、彼は地方の支社に転勤させられていった。
「上司の上役が話のわかる人で、私は厳重注意ですみました。社内の噂にもならずに。今は仕事一途でがんばっています」
女のプライドを傷つけないように
女にもプライドはある。それをわかっていない男は地雷を踏む。「これがオレのできるすべてだ、と100万円を差し出されたんです、金さえ出せば黙るだろうと言わんばかりに。既婚の男性にとって自腹で100万は大変なことだろうけど、ふざけるなと言ってやりました。つきあった時間と思いを金に換算されたようで、ものすごくイヤだった」(32歳・女性)
かっこ悪くても、誠実に真摯に別れ話をすれば、女性だってわかってくれる。
本当にいい関係だった、これは「恋愛」だった――女性が心からそう思えたら、修羅場にはならない。
「結婚願望がないと言っている女性でも、つきあっているうちに結婚を考えてしまうことはある。人の気持ちは変わるから、それはしかたがない。既婚男性が独身女性とつきあうなら、そのくらいのリスクは想定しておかないといけないと思う」
そう言うのは、つい最近、2年ほどつきあった女性と別れた既婚男性(45歳)。
「僕は妻にばれかけたので、彼女に正直にそう言いました。これ以上つきあっていたら、彼女にも迷惑がかかる。きみとの恋愛はすばらしかったけど、ここで終わりにするしかない、と土下座しましたよ。ただただ、申し訳ないと頭を下げ続けた。彼女もわかってくれました。最後は僕も泣けてしまって……」
男は、自分が良い子になったまま別れてもらおうと考えてはいけない。うまく別れたいなら、徹底的に自分が悪者になること。そして、そもそも妻の悪口を言って気をひこうなどとはしないことだ。