この春話題の夫婦ドラマ「ヤバ妻」
気づかぬうちにパートナーが「時限爆弾妻」になっているかも!?
初回の視聴率は8.3%と決して高くはありませんでしたが、意表を突く急展開なストーリーぶりに驚く声、主演の木村佳乃さんの演技力を評価する声、はたまた映画『ゴーン・ガール』に似すぎているという盗作疑惑の声など……様々な評価がネットに上がっています。私は『ゴーン・ガール』を観たあと、「至極すっきり感を味わった妻の方々が少なくないのでは?」という感想を持ちましたが、果たして『ヤバ妻』はどう夫に報復してゆくのか見ものです。
ドラマ初回で描かれていたのは、不倫している夫を、自らの誘拐殺人事件をでっち上げることで追い詰めていく妻。ここまで過激な「リベンジ」はドラマ以外ではありえないとしても、夫の裏切りに対して「離婚しない」という選択肢を取る妻が多いのは間違いありません。
ニッポンの妻は、なぜすぐに離婚に踏み切らないのか? 今回は先日フジテレビ『バイキング』に私が出演したときにも特集された「妻が離婚しない理由」について考えてみましょう。
熟年離婚は「時限爆弾妻」のしわざ!?
平成27年1月に発表された平成26(2014)年度の「人口動態統計の年間推計」によると、2014年の離婚率は前年度比マイナス0.07ポイントの1.77%。離婚率は2003年の2.30 %をピークに、年々下がり続けています。しかし、「同居期間別」で見てみると、同居期間20年以上の層の離婚は増え続けており、25年前の7割増となっています。いわゆる「熟年離婚」は増加し続けているのです。何らかの理由で離婚を決意した妻が、時が満ちるまでひたすら我慢し、ひそかに、しかし着々と準備を進め、「夫の退職」や「子供の独立」を期に離婚を実行する。こんな妻を私は「時限爆弾妻」と呼んでいます。やわらかく言い変えると「据え置き離婚」です。
このような「時限爆弾妻」が生まれる背景はなんでしょうか? その原因は現在のニッポンの妻の皆さんの多くの方にあてはまる「すぐには離婚できない理由」にあると思います。
それは大きく3つに分けることができます。
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