注文住宅/家づくりを始める前に・心構え・トレンド

よい建築家を選ぶには“気質”に注目しよう

ひとくちに建築家といっても、その考え方はさまざまです。デザインやコストも重要なことですが、まずは共有できるコンセプトや同じ気質をもつ建築家に出会うことが大切なのです。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

建築家

ひとくちに専門家といっても、考え方はさまざま。自分に合ったコンセプトや気質を持つ相手に出会うことが重要です


家づくりにおいて何を大切にしていますか

家づくりで何が一番大事な要素かと問われれば、おそらく誰もが「住み心地の良さ」と答えるでしょう。この住み心地の良さを決めるのは、あくまでも施主自身の努力です。建築家の役割は、この施主はこんなスタイルやテイスト感を望んでいるのかなとか、こんなスタイルを提案してみようというアドバイスを行い、より家づくりの視野を広げることにあります。

ただ、仮にその提案を受けて3年、5年と住んでみなければ住み心地の良さがわからないこともあるし、逆にずっと住みづらいこともあるかも知れません。だからこそ、まずは共有できるコンセプトや同じ気質をもつ建築家に出会うことが大切なのです。

建築家の気質とは

ひとくちに建築家といっても、作品性の高い人、機能や性能を優先する人、経年美(時間とともに増していく美しさ)を意識する人など、その考え方はさまざまです。モノを創り出す仕事ですから、気質や性格がとても大切なのです。

気質は生まれもったものであり、性格は後で形成されるものです。よく言われるのは建築家との相性についてですが、相性はどちらかといえば性格の方が問題になります。気質は性格以上に「もっと深く見極める」という意味合いでとらえて下さい。

たとえば…

□神経質な印象を感じる
□しゃべりだすと立ち続けにしゃべる
□落ち着きがあり、のんびりしているが気が短いところがある
□自分の中にズカズカ入ってくるような施主は苦手なタイプ
□着実に1つを片付けないと次に進めない人
□上下関係(建築家と工務店、建築家と施主)の中にいることを好む人
□自分の世界に入り込んでいくタイプ
□責任感が強く、多少無理をしてでも誠実に行動する人

などをチェックしてみてはいかがでしょうか?

始めは相性が良かったはずなのに、工事途中でトラブルになった途端解決できなくなる建築家もいます。建物のデザイン性も大切ですが、やはりつくるものにはその人自身の気質が必ず出るものです。

建築家を上手く利用しよう

近年はインターネットの普及によってたくさんの情報を容易に探し出すことができるようになり、施主も積極的に家づくりに参加するようになってきました。しかしながらその情報を有効に使えなくて結局はチグハグになり、バランスのとれた家づくりができていないことも多く見受けられます。

施主の話を十分に聞き、バランスよくまとめるのが建築家の役割です。デザインのバランス、コストのバランス、そして家づくりのプロセスを楽しむなど建築家のアイデアを活かしながら進めていくことです。

家づくりの想い出が愛着をつくる

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家づくりの想い出は、やがて家への愛着をつくってくれます


建築家の性格や気質も考えながら決めたにも関わらず、時には行き違いなどあるかも知れません。しかし、共に良い家づくりをしようという行き違いであれば、それはうれしいことです。

また夫婦同士で意見が違うこともあるかも知れません。そんな時はきちんと建築家の提案を聞き、受け入れる心を持つことも大切です。

完成した後にきっと豊かな記憶のひとつになってくれます。そしてその豊かな記憶は自分達の住まいに愛着をもって大切にしていこうという気持ちもつくってくれるでしょう。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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