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男女で違う、結婚の「決め手」。何を重視する?

離婚の理由を聞くことはあっても、結婚の理由を尋ねることはあまりない。あえて聞いてみると、男女差やその深層心理など、興味深い結果が見えてきた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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 どうして彼・彼女と結婚したの? と聞いてみた

結婚の決め手。

幸せな結婚生活を望むなら、お互いの「結婚の決め手」をたずねてみては?

人は、何を決め手に結婚していくのだろう。離婚した人に理由を聞くことはあっても、結婚していく人に理由を尋ねることはあまりない。だが、聞いてみると、いろいろ興味深いことが見えてくる。

サンプル数が何千とあるわけではないので単純に数字の問題ではないと思っているが、やはり男女にはそれぞれ「決め手となる傾向」があるように思う。


女性は、「自分を大事にしてくれるかどうか」が重要

自分を大事にしてくれる人かどうか、日々見極めているのが女性。

自分を大事にしてくれる人かどうか、日々見極めているのが女性。

女性たちに話を聞くと、「自分を大事にしてくれるかどうか」が決め手となるケースが多い。

「私が転職して大変だったとき、彼は黙って愚痴を聞いてくれた。特に説教がましいことを言うわけでもなかった。毎晩、メールで『がんばれ、ユウコならできるよ』と励ましてもくれた。それまでは特に結婚を意識していたわけじゃないけど、こういう人なら一緒に暮らしても私を尊重してくれる。そう思って決めました」

33歳のとき、同い年の彼と結婚したユウコさんはそう言う。友だち同士からつきあうようになったため、激しい恋愛感情を抱いてはいなかったが、その時期に彼がゆるく見守りながら励ましてくれたことは、大きな支えになったという。

「私も、自分を尊重してくれるかどうか、は大きかった。一緒に暮らして2年が過ぎたころ、私の母が倒れたので実家に戻らなくてはいけなくなったんです。うちは商売をしていて、とても父ひとりではできない。妹は遠方の大学院に行っていて、彼女を呼び戻すのは不憫すぎる。ちょうど私は転職を考えているときだったから、しばらく実家に戻るのもいいかな、と。彼にその話をしたら、『最終的には実家で暮らしたいの?』と。いや、そこまでは考えていない。東京に戻ってまた仕事をするつもりだと言ったら、『何があっても待ってるよ。きみが実家で暮らしたいなら、僕が仕事を変えてもいい』と言ってくれたんです。正直、びっくりしました」

サトミさん(35歳)は、彼がそこまで自分とのことを考えていると思っていなかったのだという。それが4年前で、そのとき、サトミさんはその半年後に実家に戻った。

そこから再度ふたりで話し合い、現在は結婚して、サトミさんの実家で暮らしている。彼は、彼女の父親がしている商売のあとを継ぐつもりでいる。

「彼が三男だったということもありますが、まず私の生き方、私の家族を第一に考えてくれた。この人となら一生、一緒に助け合ってやっていけると思いました。もちろん、彼の親たちに何かあったら、私もできる限りのことはしたい。ふだんはわりとチャラチャラしてて、あまりロマンチックじゃない彼ですが、頼りたいときに頼らせてくれるのがありがたい」

見守ってくれる、寄り添ってくれる。そういう彼に包まれている安心感を女性は求めるのだろうか。

「20代だったらもう少し違っていたかも。30代である程度、自分の人生を自分で決められるようになっているから、そこを対等な目線で見てくれるかどうかが重要ですね」


男性は、恋愛感情よりも「あるもの」を重視する?

恋愛感情よりも、妻や母として適しているかを見極めるのが男性。

男性は恋愛感情よりも、「ある条件」を重視し、女性をジャッジしている?

一方、男性が結婚を決めるきっかけは何だろう。

「僕の周りでもすごく多いんだけど、何年かつきあってきてふっと気づいたら、相手が30歳目前になっていたとき。いや、これ、男にとっては大きいですよ。結婚するか別れるかを決めなくてはいけない時期のような気がします」

ケンスケさん(32歳)は、1歳年下の女性とつきあったり別れたりを繰り返しながらも8年たってしまったとき、なんとかしなければと思ったそう。

「ケンカしては別れて、他の人とつきあって、みたいなことをお互いにしていたけど、気づけば彼女も29歳。気が強いけど、一緒にいると楽しい。彼女も内心、結婚したがってるようだし、それならばとプロポーズしました。自分がすごく結婚したかったかと言われると……うーん、どうかなあ。まあ、年齢的にはそろそろいいかなと思っていましたけど」

なんとなく、彼女でなくてもよかったようなニュアンスも感じてしまう。

3歳年下の相手と、つきあって1年で結婚を決め、結婚してから2年がたつケンイチさん(34歳)は、上から目先なのか、のろけているのかよくわからない口調で、こう話した。

「僕の場合は、つきあっているときから彼女を妻としてどうか、母としてどうかという目で見ていました。僕自身、結婚したかったし、結婚したら離婚は絶対に嫌だったので、恋愛云々よりパートナーとしてどうか、観察しながらつきあっていたんです。決定的だったのは、僕の親に会わせたとき。その少し前に母親が風邪をひいた、という些細なことを覚えていて、会うなり『もうおかげんはよろしいんですか?』と。この言葉遣いに母も感激してましたね。結婚するなら、やはりちゃんとした言動をとれる女性じゃないと。彼女は仕事が秘書ですから、そのあたりは完璧なんですよね」

今どき古風かもしれないが、「自分の親とうまくやってくれるかどうか」、「妻や母としてきちんとやってくれるかどうか」を見る男性は、彼に限らず、少なくない。女性の言う「パートナー」と、男性の言うそれとは、若干、ニュアンスが違うような気がしてならない。

「もちろん、僕とうまくやってくれるのは大前提ですよ」

男にとっては、あくまでも「妻として、母としての役割」を担ってくれるいいパートナーがほしいのではないだろうか。しかも、それは自分という夫を立ててくれるという条件付きで。そこに、いわゆる恋愛感情というものは薄そうに感じてしまう。

「そもそも結婚って、衝動的に決めるものじゃないと思うんですよね。社会的責任があるわけだから。ふわふわした甘い新婚生活を夢見ているような男は、無責任すぎませんか? 結婚となったら、男はやはり責任ということを、漠然とでも考えるんじゃないでしょうか」

ケンイチさんは、結婚は惚れたはれたではない、と言いたげに、少し憮然とした表情になった。


結婚の「決め手」には、望む結婚生活像が潜んでいる?

「あなたとだったら、一生楽しく暮らせそうだから」

こう言われて結婚した女友だちがいる。彼の結婚の「決め手」が、彼女のそれとまったく同じだったのだそうだ。

そのふたりは結婚15年たっても、相変わらず楽しそうに暮らしている。どんな問題もふたりで話し合う。何度でも話して、お互いに納得できれば、あとは笑っていられるらしい。

女性たちは、今も恋愛の延長線上に結婚があると思っている。男性たちの多くもそうかもしれない。だが、男性の心理の中に、どうしても従来の結婚、つまり男が家長で大黒柱で、女は家を守りながら男を立てる、というイメージが今も存在しているような気がしてならない。もちろん、それで女性が満足なら、それは個人の選択である。

しかし、もしそれに違和感があるなら、相手に結婚の「決め手」を尋ねてみるのはひとつの手。それにより、相手が望む結婚生活が見えてくるかもしれない。

そして、自分は、どういう関係を望んでいるのか。一度じっくり自問自答してみてはどうだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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