住まいの収納プランの基本ポイント
使い勝手のいい収納をプランニングすることで、すっきりとした玄関スペースが生まれる。 [インテリア建材 ベリティス玄関用収納 クロークボックス 空間イメージ] パナソニック エコソリューションズ
使いやすい収納をプランニングするには、まず、持ちモノを把握することが重要。量やサイズ、家族の誰のモノか、使い方の頻度(常時使用するモノか、季節モノか)、どこで使用するか、なども含めて、リストアップすることから始めましょう。
■使うところに、出し入れしやすく収納する
収納の基本は、使うところにしまう、こと。リビングで使用するモノはリビング収納に、寝室で使うものはクロゼットに、というように、場所を決めていくことがポイントです。もちろん、収納するモノに合わせた、出し入れのしやすさ、収納方法も重要でしょう。
来客時に使用するモノや季節のモノ、思い出の品など、使用する場所が特定されず、常時使用しないモノは、ウォークインクロゼットや納戸などに、まとめて収納してもいいでしょう。
■生活動線、家事動線、来客動線などに沿って検討する
使うところに、上手に収納スペースを確保するためには、動線を考慮することも大切です。日々、家族がどう動くか、家事の仕方などをイメージして、適した場所にスペースを確保することがポイント。間取りプランに動線を記入するなどして、検討するといいでしょう。
分散収納と集中収納
収納するモノに合わせて、空間内部のプランニングを。[クローク収納 内部ユニットrelaclo] DAIKEN
一般的には、日常的に用いるモノは分散させ、衣類や季節のモノ、思い出の品などを集中させるなど、両方の考え方を取り入れるケースが多いでしょう。
分散収納にしても集中収納にしても、ポイントは、しまうモノに合わせた、収納内部のつくり。特に、集中収納の場合、空間を確保しただけでは、使い勝手がいいとは限りません。棚やラック、バーなどを設けたり、手持ちのタンスなどを置いてもいいでしょう。また、どうしても空気がこもりがちなので、湿気対策にも配慮を。適する場所に窓や換気扇をプランニングしたり、調湿性のある内装材を用いるなども考えられます。
隠す収納と見せる収納
収納する方法やスタイルでは、隠す収納と見せる収納に分けることもできます。扉などを設けて収納したモノを隠す方法と、インテリアとして美しく並べたり、ひと目で収納物が分かるように見せて収納する方法です。壁と一体化するような扉を設けてもいいですし、リビングに書籍や趣味のモノを飾ったり、キッチンの調理道具を壁に吊るすなど、インテリアのアクセントにもなるように収納するのも楽しいでしょう。部位別 収納プランのポイントと収納設備の特徴
■玄関収納玄関の収納には、玄関から続く場所(隣)に、納戸のような収納専用スペース(シューズインクロゼット・シューズインクロークなど)を設けるプランと、玄関や玄関ホールの壁面を利用して収納を設置するプランが考えられます。建材メーカーなどからも、豊富な玄関システム収納が揃っており、自由に組み合わせることが可能でしょう。靴だけでなく傘やコート、ゴルフ用品や買物カート、スリッパや子供のおもちゃなど、多くのアイテムを収納する必要がありますが、限られた空間であることが多いため、圧迫感を感じないようなプランニングとすることが大切です。
■リビング収納
壁面を利用し、テレビとともに、見せる収納と隠す収納のバランスを持たせたシステム収納プラン。[システムファニチャー キュビオス] パナソニック エコソリューションズ
リビングボードなどの置き家具を取り入れたり、造作家具を設置する方法もありますが、建材メーカーの商品には、さまざまなタイプの壁面収納(システム収納)が揃っています。空間や収納するものに合わせて、ボックスやユニット、扉材などを自由に組み合わせることができるタイプ、テレビやAV機器を組み込んだり、本棚や飾り棚などに対応したパーツなどもみられます。趣味のモノを飾るなど、見せる収納をコーディネートできるタイプも多くみられるので、空間全体のデザインイメージに合わせて選ぶようにしましょう。
■寝室・子供室
寝室や子供室に設けられる収納はクロゼットでしょう。スペースが確保できるのであれば、ウォークインクロゼットとしたり、壁面を有効活用した収納も使いやすいものです。メーカー商品には、クロゼット空間の内部パーツなども揃い、自由に組み合わせることが可能。壁面に設けるシステム収納も多くみられますし、クロゼット用の扉材なども豊富に揃っています。扉材は、折りたたんで両側に開く折れ戸タイプが多くみられますが、スライドして開く引き戸タイプも適しています。扉の開閉スペースがないので、周囲にベッドや家具などを置いても邪魔になりにくいのがメリットでしょう。
■キッチン
キッチンの収納は、加熱機器やシンク、水栓金具などの機能が組み込み、基本的な収納スペースを確保した「キッチン部分」と、食器や家電製品などの収納を目的とした「周辺ユニット・周辺部・周辺収納・カップボード部」などを用いることが多いでしょう。キッチンメーカーからは、さまざまなプランに対応できるユニットが揃い、収納するものに合わせた細かな工夫がみられます。
また、空間のプランニングとしては、パントリーを設けても。食料や食器、調理道具などを貯蔵、収納する小さな部屋やスペースのことで、キッチンまわりの集中収納と言えるでしょう。最近では、日々の食材を、まとめて購入する方も多く、食品の保存場所として使い勝手のいいものです。
■洗面室
洗面室は、洗面だけでなく脱衣室や洗濯室など、さまざまな役割を持つため、収納プランによって使い勝手も大きく変わるものです。造作で物入れや棚などを設けたり、豊富な収納ユニットが用意された洗面化粧台を利用してもいいでしょう。
限られた空間なので、デットスペースを作らないように効率的なプランニングを。石鹸、シャンプーなど、使用するモノだけでなくストック分のスペースも考えておきたいもの。脱衣(汚れモノ)の一時収納も確保しておくと使い勝手もいいでしょう。
■トイレ
限られたスペースのトイレでは、便座と並行に手洗器を設けたカウンター下や、コーナーなど便器と干渉しあわない位置の収納が考えられます。また、天井付近に棚や吊戸棚などを設けたり、便器(タンク)の後ろや両サイドを利用してもいいでしょう。手洗器と組み合わせた収納設備商品は多くみられ、カウンターやペーパーホルダーなど、自由に構成することができるタイプも揃っています。
■デットスペース(床下・小屋裏・壁厚など)
あまり使用しない場所や利用しにくいデッドスペース空間を収納として有効利用することも考えられるでしょう。たとえば、床下収納であれば、キッチンや洗面室などで食品や日用品のストックに。小屋裏収納やロフトスペースもなども納戸的な使い方ができるスペースです。できる限り収納しやすく出しやすい場所に設けること.。階段やはしごは荷物を持って昇降しやすいものを選び、安全に昇降できる場所に設置することも大切なポイントです。
その他、階段下も比較的スペースが確保しやすいスペース。室内側からの利用はもちろん、屋外に扉を設けて外用の収納としてもいいでしょう。また、壁の厚みを利用して、ちょっとした収納スペースを設ける、という方法も。玄関に設けて飾り棚を兼ね「みせる収納」としたり、階段の手すり壁や廊下の間仕切壁などを利用し、書籍を並べてもいいでしょう。
どのような収納プラン、収納スペースが必要かは、家族構成やライフスタイルはもちろん、間取りも大きく関わります。持ちモノのリストアップとともに、どのような収納スタイルが希望なのか、使い手に合わせて、明確にすることが大切です。
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