山口智子が選んだ「産まない選択」
「子供のいない人生」は「夫婦が真正面から向き合う人生」
雑誌FRaU2016年3月号に掲載された女優・山口智子さんのロングインタビューは、「子供のいない人生」の選択について初めて語り、多くの話題をよびました。
これに対する肯定、否定、など様々な意見があるとは思いますが、「産まない人生」を選択したいと考えている方々にとっては、とても勇気づけられる言葉であったのではないかと思います。この話題の記事、私なりに読み解こうと思います。なぜなら、夫婦仲相談所に来られる肩に限らず、「夫ののろけ」「妻ののろけ」を耳にすることが少ないからです。皆さん「子供ののろけ」は喜々として語られるのですが。
「子供のいない人生」は「夫婦で生きる人生」になります。
昔から「子はかすがい」ともいいますが、子供のおかげで夫婦のもめ事が丸く収まったり、夫婦が協力して何かに取り組めることはよくあります。「子供がいなかったら離婚していたかも」なんていう発言を耳にすることも珍しくありません。
「子供のいない人生」は「子供のいる人生」よりもさらに、夫婦でしっかり向き合って生きることが必要になります。山口さんやだんな様の唐沢寿明さんのインタビューなどを拝見すると、「子供のいない人生」をどう楽しく生きるかのヒントを見つけることができます。
今回は唐沢さん・山口さんご夫妻から、「夫婦で生きる人生」のコツを学んでみましょう。
山口智子・唐沢寿明夫婦に学ぶ「子供のいない人生」を楽しく生きるコツ
■ポイント1:・堂々とのろける
お二人の発言を見ていると、様々な機会でパートナーへの愛情を堂々と発言しています。山口さんは以下のように発言。
「唐沢さんは、夫であり、家族であり、友であり、恋人であり……。唐沢さんと一緒に生きることは、ほんとうに楽しいです」
「夫としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生は、本当に幸せです」
一方唐沢さんの方も
「一番の宝物は妻」
「趣味は車と山口智子」
などの発言でパートナーへの最大限の愛情を表現しています。
芸能人に限って言えば、このような「のろけ発言」が、ネタに困っている芸能マスコミへのリップサービスも含めて発信されることも少なくありません。しかし、私たち一般人の間では、特に男性からこのような発言が出ることはまれ。しかもそれが結婚20周年を迎えてもなお言い続ける例、となるとかなりレアケースでしょう。
「のろけ発言」は「良好な夫婦関係」「パートナーへの不変の愛情」を意味します。周囲に発信することによって、その方が、パートナーを大切にしていること、夫婦関係の安定やプライベートの充実を印象付け、発言者へのプラス評価につながります。
「のろけ発言」に「チャラい印象を与えそう」「バカップルのように思われるかも」のようなネガティブなイメージをお持ちの方も多いですが、上手に発信することで、ご自身へのイメージアップにもつながりますよ。
また、芸能マスコミが発言を報道してくれない私たちは、自分の「のろけ発言」は自分で伝えるしかありません。ぜひ、パートナーにも直接のろけ発言をぶつけて、「不変の愛情」をアピールしてください。
■ポイント2:人前でパートナーを褒める
夫婦の愛情の根本にあるのはお互いへの敬意。人前でそれを表現することはパートナーへの愛情表現に等しい効果があります。
たとえば唐沢さんは山口さんを
「(俺は)役を役者として演じて評価されるタイプだけど、彼女(山口)は生きているだけで評価されるタイプ」
と、そのカリスマ性を絶賛。
山口さんも唐沢さんの仕事に対する姿勢についての敬意を過去に発言しています。
■ポイント3:・スキンシップ
結婚20周年を迎えたお二人ですが、山口さんの発言によると毎晩、手をつないで寝ているそう。また、
「会う時は本当にできるだけくっついていようと私は思っているんですね。だから、私はずっとくっついていたくて。“抱っこ抱っこ!”みたいな感じ」
とも発言されているので、ハグなど、スキンシップはかなり多そう。これも間違いなく夫婦円満の秘訣です。
■ポイント4:・記念日を大切にする
唐沢さんは以前
「毎年、結婚記念日は祝っているけど、向こうも毎年“何年だっけ?”とか言ってくる(笑)」
と発言されていましたが、実際、昨年の山口さんのバースデーにはイタリアンレストランで一緒にディナーを楽しむ二人の様子が目撃されていました。
記念日は一緒にすごしてきた日々を振り返り、未来のお互いについて思いを一つにするよい機会。祝ってくれる子供がいない分、自分たちできっちりお祝いをすることが大切です。
■ポイント5:無理をせず、自然体
夫婦二人だけの生活は、毎日相手と向き合う日々。相手の期待に応えようと頑張りすぎたり、自分をよく見せようと無理に背伸びをしても長続きはしません。
「頑張っている私」にとらわれず、肩の力を上手に抜くことが、日々を楽しく過ごすコツです。
山口さんも、過去には料理を頑張りすぎた時があったようですが、「燃え尽きた」あとに、上手に気持ちを切り替え、自然体で過ごせている様子が、以下の発言からうかがえます。
「唐沢(寿明)さんと結婚してからは、料理は毎日徹底的に作りました。『こんな私を選んでくださってありがとう。せめて食でご奉仕しないと』という思いもあって(笑)。彼も大勢人を呼んで毎日が誕生会みたいだった。で、エネルギーを注ぎすぎて燃え尽きちゃった(笑)。『一生分は作ったな』という達成感はありますよ。今は、必要に迫られない限り作らない。具沢山の汁物を巨大な鍋で作って、1週間もたせる感じ。あとは夫と外に食べに行っちゃう。作るより食べる方が断然好きだということに気づきました(笑)」
山口さんを表すキーワードに、「ナチュラル」「自然体」というのがよく用いられますが、「作るより食べる方が断然好きだということに気づきました」と「料理好きな妻」という評価を手放す発言がさらっと出てくるところにも、彼女の自然体ぶりが表れています。
実は結構、「夫や周囲からの『料理好きな妻』というイメージが負担になっている」という女性の悩みも多いのです。
一般的には「料理好きな妻」=「良妻」、「料理が嫌いな妻」=「悪妻」というイメージをもたれがち。そこで
「料理が嫌いなのに好きなふりをしている」
あるいは
「最初に料理好きなイメージを与えすぎて、周囲の過剰な期待が重荷に」
など、「料理好きイメージ」に振り回されてしまいがちです。
「料理好き」あるいは「子供好き」のように、一般的な「良妻」のイメージを手放すには勇気がいります。しかし、自分に正直に暮らせないようでは、夫婦関係が息苦しいものになってしまいます。「自然体」を心がけて、ありのままの自分を出していくことを心がけていきましょう。
◆次ページからはさらに二人の発言から夫婦円満のコツを読み解きます