時刻表で妄想旅行!時間もお金も無くても、旅行ができる方法

なにかハマれる趣味を始めたいけれど、どうしてもお金の問題が気になって一歩踏み出せない。そんな方に贈る「お金のかからない趣味」情報。誰もが知っているものから、ニッチなものまで、きっと気になる趣味がみつかるはずです。

第4回は、All Aboutの鉄道ガイドとして活躍する野田隆さんが登場。今回は「鉄道時刻表を使った“妄想旅行”の楽しみ方」をご紹介します。

「妄想旅行」した行程で実際に旅もできる。ガイドが山北駅にて沼津行きを見送る

「妄想旅行」した行程で実際に旅もできる。ガイドが山北駅にて沼津行き御殿場線を見送った写真


<お金のかからない趣味「時刻表で妄想旅行」チェックシート>
■こんな人におすすめ:お金が貯まらない、まとまった休みもないとお悩みの方
■楽しめる期間:お金が貯まり、時間的余裕ができるまで
■かかる費用:1000円ぐらい(海外鉄道旅も楽しみたい人は、2000円程度)

「妄想旅行」は昔から楽しまれている趣味

意外に思われるかもしれませんが、数字の羅列にすぎない『鉄道時刻表』を愛読する人は多いのです。本来は、所用のため、あるいは観光旅行のためスケジュールを立てる目的の「道具」なのですが、出かける予定がなくても時刻表を読みふける人は結構います。熱烈な鉄道ファンだけではなく、旅好きにも時刻表愛好者は多いと思います。

時刻表を見ながら、途中下車したい駅や周辺の散策時間も考慮して妄想してみると良い

時刻表を見ながら、途中下車したい駅や周辺の散策時間も考慮して妄想してみると良い


この趣味は最近始まったものではなく、半世紀以上前に描かれたミステリーの名作である松本清張『点と線』にも出てきますよね。この小説は病気で旅に出られない女性が時刻表を読みふけるうちに完全犯罪を思いつくという筋書きでした。

犯罪を思いつくかは別にして、時刻表を読みふけり妄想鉄道旅行を楽しむのは、お金がかからない趣味の一つと言えるでしょう。用意するものは市販の時刻表1冊だけ。1000円程度の出費で長い時間楽しめる趣味です

妄想しながら、途中下車のスケジュールを考えてみる

列車の時刻だったら、ネットで検索すれば簡単ですが、それではあっけないですし、思いつきの途中下車はできません。紙の時刻表を使いたくないのであれば、デジタル時刻表もありますが、その場合でも路線ごとの時刻表が取り出せるようにして列車ダイヤを見ていきたいものです。

例えば、東京駅を適当な時間にスタートし、乗ったと決めた列車の時刻をたどっていきます。気になった駅で途中下車し、しばらく駅周辺を散策したことにして次の列車に乗ってみましょう。以下は私が妄想旅行をしたスケジュールです。

8:38の東京駅発の東海道本線に乗り、9:43に大磯で下車。
次に大磯発9:55の東海道本線に乗り、10:04に国府津で下車します。10:28の国府津発御殿場線に乗り、10:54に御殿場で下車・・・というように妄想していきます。

ポイントは乗換駅に着いたら、接続時間を考えて、別の路線をたどってみるのです。こんなことを繰り返しているうちに夜になってしまいます。1日があっという間に終わりますね。
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実際に妄想をメモすれば、実際に旅するときも役に立つ


妄想乗車でたどったスケジュールをメモするなり、エクセルに書いて保存しておけば、あとから実際に出かけてみる時にも役立つでしょう。私も何度も妄想旅行した行程を旅行しています。

妄想だからこそ!海外や過去、小説の舞台も「旅」できる

妄想旅行だから日本国内にとどまる必要はありませんね。「ヨーロッパ鉄道時刻表」(ダイヤモンド社)も年2回国内の書店で入手できますから(2200円税別)、ヨーロッパ各地をめぐることも可能です。

読み方は、日本の時刻表とほぼ同じ。若干と異なる点もあるけれど、巻頭に日本語の解説があるので心配無用です。
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国内にとどまらず、スイスのレーティッシュ鉄道で大自然の景色を満喫することだってできる。


また、妄想旅行ですから、時空を越えて過去にさかのぼることもできます。復刻版時刻表や過去の時刻表はデジタル化されていて、意外に簡単に入手できます。1000円程度ですから気になった年度のものを買ってみると面白いですよ。

漠然と眺めるのが面白くないのなら、鉄道が出てくる小説を読みながら、その詳細な時刻を探すのはどうでしょうか? 前述した『点と線』をはじめ、松本清張の小説には、『砂の器』『Dの複合』といった列車に乗る場面がかなりの頻度で登場する作品があります。ドキュメンタリーではないので、詳細な記述はないですが、文脈から登場人物が乗ったと思われる列車を推理する楽しみもあります。

また現在なら同じルートをどんな列車でたどれるのか、比較のために調べてみると、列車ダイヤや所要時間のあまりの違いに驚くことばかりでしょう。

このように、時刻表による妄想旅行なら現代の日本にとどまらず、海外にも過去にも行けるのです。仕事で忙しく旅行ができないとき、天候が悪く、具合が悪く出かけられないとき、いや敢えて出かけるのはやめて、立派な趣味として、一度時刻表を座右において妄想鉄道旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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今回語ってくれたのは……「鉄道」ガイドの野田隆さん

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名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線の SL・D51 を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。

早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010 年 3 月で教員を退職。旅行作家として活躍中。

2016年4月には新刊「テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門 」が発売される。

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