J1リーグの優勝候補は5チーム

J1リーグの優勝候補を5つに絞った。

J1リーグの優勝候補を5つに絞った。

2016年のJ1リーグが、2月27日に開幕する。そこで今回は今シーズンのJ1リーグに参加する18チームを、優勝チーム予想も兼ねて、筆者が独自に設定した3つのカテゴリー分けで考えてみよう。

■ファーストクラス(優勝候補)
:サンフレッチェ広島、ガンバ大阪、浦和レッズ、FC東京、鹿島アントラーズ

■ビジネスクラス(6位~10位):川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、湘南ベルマーレ、柏レイソル、サガン鳥栖

■エコノミークラス(11位~18位):名古屋グランパス、ヴィッセル神戸、ヴァンフォーレ甲府、ベガルタ仙台、アルビレックス新潟、大宮アルディージャ(昨季J2リーグ1位)、ジュビロ磐田(昨季J2リーグ2位)、アビスパ福岡(昨季J2リーグ3位)


ファーストクラス(優勝候補)のチームを分析

ファーストクラスの5チームは、言うまでもなく優勝候補である。昨年のJ1で年間王者に輝いたサンフレッチェ広島は、今シーズンも高い完成度を維持している。昨季得点ランキング2位のドウグラス(28歳)が移籍したものの、攻撃のパワーダウンを感じさせない。

J1リーグで歴代最多タイのゴールをあげている佐藤寿人(33歳)は、鋭い得点感覚を保っている。また、“ジャガー”の愛称で親しまれる浅野拓磨(21歳)は、U-23日本代表の一員としてリオ五輪の出場権獲得に貢献した。さらに、J2降格の清水エスパルスからナイジェリア人のピーター・ウタカ(32歳)を獲得している。就任5年目を迎えた森保一(もりやす はじめ)監督(47歳)のもとで、柔軟で洗練されたサッカーを展開する。

昨季2位のガンバ大阪は、ピンポイントで効果的な補強をした。横浜F・マリノスからミッドフィールダーの藤本淳吾(31歳)、フォワードのアデミウソン(22歳)を揃って獲得したのだ。藤本は日本代表歴のある技巧派のレフティーで、アデミウソンはブラジルの年代別代表で10番を背負った逸材だ。

既存のメンバーもレベルは高い。ゴールキーパー東口順昭(29歳)、ディフェンダー藤春廣輝(27歳)、丹羽大輝(30歳)、米倉恒貴(27歳)、フォワード倉田秋(27歳)、宇佐美貴史(23歳)は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の日本代表に招集された経験を持つ。なかでも、宇佐美は常連のひとりだ。昨年のJ1でランク3位の19ゴールをあげた彼は、ベテランの遠藤保仁(36歳)と並んでチーム浮沈のカギを握る。さらに加えて、U-23日本代表の井手口陽介(19歳)が、ブレイクの予感を漂わせている。


ACL参加による過密日程がカギに

昨季3位の浦和レッズは、広島やガンバ、FC東京に比べて失点数が多かった。この課題を解消するために、ふたりの実力派を迎え入れた。ブランコ・イリッチ(33歳)と遠藤航(23歳)だ。

イリッチはスロベニア代表として10年以上プレーした経験者で、188センチの長身を誇る。遠藤はU-23日本代表のキャプテンで、1対1の強さに定評がある。攻撃力も兼備する。守備に安定感をもたらす補強と言えるだろう。

城福浩監督(54歳)が6年ぶり指揮するFC東京は、攻守にパワーアップした陣容を整えた。

アジアのナンバー1クラブを競うAFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)に、今季のFC東京は4年ぶりに参戦する。ACLはリーグ戦と並行して開催され、なおかつホーム&アウェイで争われるため国外への移動も強いられる。選手層の充実は欠かせず、FC東京はゴールキーパー秋元陽太(28歳)、ミッドフィールダー水沼宏太(26歳)、フォワード阿部拓馬(28歳)を補強した。いずれも、J1のクラブでレギュラーとして活躍してきた実力派だ。

シーズンオフに日本代表ディフェンダーの太田宏介(28歳)がオランダのクラブへ移籍した穴は、元日本代表の駒野友一(34歳)をジュビロ磐田から獲得することで埋めた。さらに、U-23日本代表のディフェンダー室屋成(21歳)も加わっている。保有戦力にスキはない。

ACLに出場するのは、FC東京だけではない。広島、ガンバ、浦和の3チームも、アジア全土を舞台とした戦いに参戦する。他チームに比べてスケジュールが過密となる彼らには、心身のタフネスさが求められる。ACLの経験者が多い3チームだけに、そのあたりは十分に承知しているはずだが……。

昨季5位の鹿島アントラーズは、ACLに出場しない。リーグ戦に集中できる。石井正忠監督(49歳)監督が束ねるチームには、大きなアドバンテージだ。

中長期的視野に立ったチーム作りが鹿島の特徴で、今オフもそうした視点から補強を敢行した。湘南ベルマーレのキャプテンだったミッドフィールダー永木亮太(27歳)、U-23日本代表のミッドフィールダー三竿健斗(みさお けんと、19歳)らが加入している。

昨季のトップ4と比べても、戦力的には見劣りしない。クラブが伝統とする勝負強さは、現在のチームにも受け継がれている。

優勝するために必要なのは、確固たる得点源だろう。昨季はケガに泣かされたブラジル人ストライカーのジネイ(32歳)、昨年のJ1でチーム2位の9得点をあげた金崎夢生(27歳)らの活躍が必要だ。


ビジネスクラス(6位~10位)では川崎Fと湘南に注目!

こちらの5チームは、上位に食いついていく力を持ったチームである。タイトル獲得には現状で物足りなさが残るものの、リーグ戦の下位に沈むことはなさそうなチーム、という言いかたもできる。

川崎フロンターレは、リーグ屈指の攻撃力を誇る。中村憲剛(35歳)が司令塔を務め、大久保嘉人(33歳)が前線に構える。日本代表復帰を待望する声の根強い二人のベテランに加え、日本代表経験のある小林悠(28歳)、かつてイタリアでプレーした森本貴幸(27歳)らのフォワードが相手ゴールへ襲いかかる。攻撃の迫力はズバ抜けている。

課題は「勝負強さ」にある。自分たちより順位が下のチームに黒星を喫したり、勝ちゲームを引き分けに持ち込まれたりすることが、フロンターレは少なくないのだ。それこそは、クラブ創立20周年を迎えたチームが、タイトルをつかむための条件である。

湘南ベルマーレは再生のシーズンだ。J1復帰1年目で8位に食い込んだ昨年の成績を受けて、ゴールキーパー秋元、ディフェンダー遠藤、ミッドフィールダー永木、古林将太(24歳・名古屋グランパス)らが他クラブへ移籍していった。

とはいえ、チョウ・キジェ監督(47歳)が束ねるチームは、特定の選手に寄りかからない。主力選手の流出は確かに痛手だが、レギュラークラスが抜けるのは今回が初めてではない。圧倒的なまでの活動量を下支えに、最後まで足を止めずにゴールを目ざすサッカーは、通称“湘南スタイル”として定着している。選手が入れ替わってもブレのない攻撃性能で、昨年を上回る成績を残すかもしれない。


中位から下位は例年以上の激戦に

エコノミークラスには、8チームがひしめき合う。11位から18位までのクラブということになるが、中位から下位は例年以上に実力が拮抗している。昨季9位の名古屋グランパス、同12位のヴィッセル神戸らが、ひとケタ順位の成績を残しても不思議ではない。その一方で、ビジネスクラスの湘南やサガン鳥栖が、11位や12位でシーズンを終えることも否定できない。

降格候補にあげられがちな昇格チームも、それぞれに特徴を持っている。昨季のJ2を制した大宮アルディージャ、同2位のジュビロ磐田、同3位のアビスパ福岡は、J1でも通用する「個人」を持っている。アビスパの戦力はやや見劣りするが、井原正巳監督のもとで積み上げた堅固なディフェンスは、彼らの強みとなっていくはずだ。

いずれにせよ、驚きに満ちたシーズンは大歓迎だ。予想外の躍進や混戦によって、多くの話題が提供されることを願う。J1リーグの開幕は、2月27日だ。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。