プチ・リスクオン相場は続くのか?
2016/2/15~2/19の週は殆どの主要国の株式市場で2016年で最良のパフォーマンス週となりました。上図の青色グラフが週間騰落率で、1週間としては2016年一番と言える大きな反発が見られました。たとえば、相場動向に敏感な米国ナスダック総合指数を見てみると、悲観の底だった2月11日(木)にとりあえずの陽線を出して反発を見せていました。そして翌日から3連休を挟んで3本連続で陽線を並べ、いずれも終値をその日の高値圏で終える強い形を作りました。そして出来高を増して大きく上昇した2月17日(水)に、米国株の短期トレンドは上昇転換と判定できます。2016/2/15~2/19の週は一種のプチ・リスクオン相場だったと言えます。「プチ」と名付けたのは、それまでの甚大な下落に比べれば控え目な上昇という意味です。一方で、黄色グラフの年初来騰落率を見ると、先週の反発を含めてもまだ大幅にマイナスとなっています。米国のある著名投資家などは、今のリスクオン相場を利用し、ここまで売るに売れなかったリスク資産を処分するチャンスだと言っています。
現状は長期にはリスクオフ、短期にはリスクオン
もちろんまだどちらに行くかはわからないが、今はどちらに転がっても大丈夫なように慎重な体制をとっておくべき
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これらは互いに綱引きのように、押したり引いたりしながら推移することになります。買いオンリーの強気な投資家は、リスクオンになる度に自分たちが正解だったと思い、売り方の弱気筋は反対にリスクオフが訪れる毎に自分たちこそ正しかったと言うでしょう。短期的にはこれらは順番に巡って来るだけの事です。
もちろん、最終的にどちらが相場のトレンドになるのか分かりませんが、現状、長期にはリスクオフ、短期にはリスクオンという見方が正解と思います。長期的には、中央銀行が大きな金融政策の転換でも発表しなければ、すでに修正不能な大きな崩れが起きてしまっているからです。たとえば、一日で日経平均が1000円以上急騰するような事態は異常であり、こうした事はそれを上回る下落が起きたからこそ引き起こされる現象です(1990年代のバブル崩壊、2000年以降のITバブル崩壊、2008年金融危機時にも繰り返し見られました)。異常なハイボラティリティーは、相場にヒビの入った証左と思います。
参考:日本株通信
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