ベルギー仕込みのショコラの技が光る「ラ・パティスリー・ベルジュ」
前のページでは、フランスとベルギーで修業した鈴木シェフならではの生菓子や、美しいボンボンショコラをご紹介しましたが、「ラ・パティスリー・ベルジュ」では、それ以外にも様々なチョコレート菓子が揃います。たとえば「タブレット」、つまり板チョコレートは、厚みのあるサイズで食べ応えがありそうですが、実は、チョコレートで作った外側の殻の中は空洞になっていて、中にフィリングが詰められています。あたかも、大きなタブレット形に作ったボンボンショコラのよう!
「シトロンヴェール」と「キャラメルサレ」があって、シロトンヴェールはライム風味が爽やかなプラリネチョコレート入り。キャラメルサレは、塩味がアクセントのとろけるキャラメル入り。普通の板チョコレートと思ってかじったら、思わぬサプライズに驚かされそうですね。
ベルギー製のチョコレートを使った濃厚なフォンダンショコラは、平たい形のマドレーヌのような素朴な見た目ですが、食べる時にレンジで少しだけ温めてからフォークを入れると、中に忍ばせてある苺とフランボワーズのジュレが、とろりととけたチョコレート生地と共に流れ出します。チョコレートのほろ苦さと甘さに、相性のよい赤いフルーツ類の酸味がバランスよくマッチしています。
チョコレートの生地でガナッシュをサンドして何層も重ねた「チョコラータ」は、カットでの販売もありますが、手土産やギフトにするならば、全体をチョコレートがけにして、華やかな金色の模様を描いたホールサイズがお勧めです。私が訪問した際に、鈴木シェフが厨房でチョコレートがけにしていらした様子をちょうど見られたのは、こちらのお菓子の仕上げですね。
さらに、ヨーロッパではイースターの時期などに欠かせない様々な形の型抜きショコラが並ぶ様子も、いかにもベルギーで学んでいらした鈴木シェフらしい!
うさぎやペンギン、豚など動物をモチーフにしたもの以外にも、たとえば写真は2015年のクリスマス時期に出された、チョコレート製のハンドバッグ。職人技の光るチョコレート細工は、プレゼントした相手も驚いてくれること間違いなしですね。
スパイシーでザクッとした歯応えの「スペキュロス」やサブレ類、円盤状チョコレートにナッツやドライフルーツがのった「マンディアン」などは、透明の筒状容器に入ったタイプがギフトにぴったり。
自分の味見用ならば、小ポーションの袋入り食べ切りサイズもあります。
実は2015年11月に開催された全国ご当地ロールケーキのコンテスト「ROLL-1(ロールワン)グランプリ/第4回スイーツコンテスト」で、「ラ・パティスリー・ベルジュ」のスタッフである浅井加奈子さんが、見事に優勝されました。
浅井さんも鈴木シェフと同じくベルギーで修業した方。その作品は、ココアパウダー入りの生地にバタークリーム、千葉の名産品“ピーナッツ”を自家製プラリネにしたものと、ベルギーでの思い出の “スペキュロス”味パウダーをアクセントとした「房総ピーナッツロール」。ほんのり塩気が効いたバタークリームに、キャラメリゼされたピーナッツの香ばしさやコクが相性よく、どこか昔懐かしく、それが逆に新鮮な味わいでした。
店内にも、浅井さんが受け取られた表彰状が飾られていて、鈴木シェフ曰く、自分がコンクールに挑戦してきたように、これから店の若いスタッフにも挑戦していってほしいので、サポートしていきたい、とのこと。いつか、今回優勝したロールケーキが商品化されるといいですね。
ベルギーの菓子文化を鴨川で伝えながら、地元に少しずつ根付いていっている「ラ・パティスリー・ベルジュ」。遠方からの方は、移動中もちょっとした遠足気分になれそうで、これから春に向けて房総半島の観光と併せて訪ねるのもいいですね。千葉県でぜひ訪れたい新たな名店の一つとなりそうです。
<ショップデータ>
「LA PÂTISSERIE BELGE ラ・パティスリー・ベルジュ」
千葉県鴨川市横渚138-1
電話 04-7093-1145
営業時間 9:30-19:30
定休日 水曜(祝祭日の場合変更あり)
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