先代よりも長くなった新型レクサスRX
日本にもレクサスLXが導入されたため、価格的にはレクサスのSUVで最高値ではなくなったが、1998年に登場したレクサスRXは、2009年に日本にも導入されて以来、同ブランドのSUVとして最上級に位置づけられてきた。
2015年10月22日にフルモデルチェンジを受けた新型レクサスRXに乗る機会があったので、ご報告したい。
試乗車は、発売1カ月で約9000台を受注したうち、約6000台を占めているハイブリッド仕様の「RX450h version L」。全長4890×全幅1895×全高1710mmで、先代RXの4770×1885×1690mmから全長が120mm長くなり、全幅は10mm拡幅、全高も20mm高くなっている。
最小回転半径は5.9mで、先代の5.7mから拡大しているのはボディサイズが大きくなっているから当然だろうが、取り回しや駐車がしにくくなっているから気になる方は要注意だ。
ハイブリッドのJC08モード燃費は18.8km/L
プレミアムガソリンを指定する3.5LのV6ガソリンエンジンとフロントモーターを組み合わせるFFは、エンジンが262ps/6000rpm、335Nm/4600rpm、モーターが167ps/335Nmで、エンジンとモーターの最大トルクは同値。システム最高出力は313ps、カタログ燃費は18.8km/Lとなっている。
これだけの動力性能があれば、「エコ」から「スポーツSプラス」まで用意されるドライビングモードで「ノーマル」以上にしておけば、どんなシーンでもいつでも容易に流れに乗ることが可能で、「エコ」のままでも街中はもちろん、高速道路でも巡航時には何ら不足はない。
エンジンとモーター走行時のパワーフィールが非常に滑らかなのも印象的で、音や振動も遮断されていて、静粛性の高さも際立っている。そこに高めのアイポイントで周囲を見下ろしながら運転するわけだから、これだけで新型RXを指名して良かったと思う方もいるかもしれない。
なお、EV走行は速度域も航続可能距離も限定的で、早朝深夜の住宅街を静かににスマートにクリアしたいというニーズに応える程度だが、それでも閑静な住宅街に住んでいるのならEVモードは魅力だろう。
さらに、大きくなったボディサイズの割にハンドリングも良好で、先代RXが出た際の突っ張るような足まわりと、ドタドタするような乗り味はほとんど感じさせない。
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