意外と伝わらない「あなたのためを思って」
子どもの笑顔を守りたい。だから言っているのに伝わらないのはどうしてなのでしょうか。
落ち着いて考えてみると、なんて押し付けがましい言葉なんでしょう! 親は本当に「あなたのため」だけを思って言っているのでしょうか。
説教のダメ押しとして
お行儀よくしなさい、まじめに勉強しなさい、きれいに食べなさい、朝は自分で起きなさい、車には注意しなさい、もっとあたたかくして出かけなさい……子育てをしていると、なんとたくさんの要求を子どもにしているのでしょう!もちろんそれは、子どもが健康に過ごせるためであったり、将来自分で生きていけるようになるために世の中のルールを教えたり、といった大切なことなのですが、時々フト我に返ると、家でも学校でも「ああしなさい、こうしなさい」と朝から晩まで言われっぱなしの子どもというのは、大変だなあと思ったりします。聞き流さないとやってられない。笑
で、聞き流している時に、飛んでくるのではないでしょうか。「あなたのためを思って言っているのよ!」マジメに聞いてるの?と。
まあ、わかるわけです、子どもとしても。心配してくれているのは。でも、うざい。押しつけがましすぎて、うざい。どうしてそんなふうに感じてしまうのでしょうか。
「善意」を断るのは難しい
「あなたのためを思って」……そのまま受け取れば「善意」です。「思いやり」から言ってくれているのだなあと思うと、それを拒否するのは、大人でも難しいことではないでしょうか。さらに、子どもにとって、親や教師は「大人の代表」だったりします。そういう人たちからの「善意」に従わないことは難しいことではないでしょうか。薄々「そこまで大事なことかなあ」と思っていたとしても。だって、自分はまだ大人になっていないから。
でも、よく考えてみると「あなたのためを思って」って、自分の主観を押しつけているだけで、何の説明もしていません。
たとえば、「お行儀よくしなさい。あなたのためを思って言っているのよ!」と怒っている親は、お行儀よくすることのメリットも、しないことのデメリットも提示していません。ただ「自分の言うことに従え」としか言っていないのですよね。
>> 「あなたのためを思って」=「自分が気に入らない」??