2014年10月以来の安値水準
日経平均株価が2016年1月20日、1万6387円の安値をつけました。これは、2014年10月以来の安値水準になります。2014年10月と言えば、日銀による追加の金融緩和が行われた時です。つまり、株式市場では、金融緩和による上昇相場はなかったということになりました。「日経は新年波乱の幕開け!底打ちを分析する法」の記事では、底打ちとは判断し難い状況と分析しましたが、やはり底打ちはまだだったようで、株式市場はその後も大幅に下落しています。1月21日現在、日経平均株価は1万6017円まで下落し、「株価はどこまで下がるのだろう」と不安に思っている方もいることでしょう。
そこで今回は、株式市場の動向について解説していきます。
日経平均の現状を確認する
まずは日経平均株価のチャートを見てみましょう。日経平均株価チャート。会社四季報オンラインより
下値支持線を下に抜けて(レンジを下にブレイクして)以降、株価の下落がなかなか止まりません。
窓とは
さて、株価がローソク足を形成する際に、買い(もしくは売り)の勢いが強くて取引が成立せず、前日よりも高い(もしくは安い)株価で取引が成立することがあり、株価チャートに隙間のような空間が生じます。この空間のことを「窓(空)」と言い、例えば良いニュースや悪いニュースがあった等によくみられる光景です。一般的に、株価は窓に吸い寄せられるように動くと言われています。ですから、株価の下に窓が開いた場合には株価は下に吸い寄せられ、株価が上に空いた場合には株価は上に吸い寄せられます。そして、窓を埋めるか否かで、株価の力強さを知ることができます。
そして、3つ窓をあける(三空)と、勢いの力強さを確認できると言われていて、株価反転への力強さとして確認することができます。
窓を確認する
では、実際に日経平均株価のチャートを見てみましょう。株価が下値支持線を抜けて以降、まず右側の窓を埋めました。これは2014年10月末、日銀の追加の金融緩和が行われることとなった時に空いた窓です。
そして、次に埋めてない窓は左側の窓です。これは14528円と14531円の窓になります。株価はずいぶん値下がりしましたが、それでもこの水準まで株価が下がるとなると、かなりの下げを覚悟しなければなりません。なお、この窓を株価が埋めるかどうかはわかりませんが、そういう窓があるということを覚えておいて損はまったくありません。
どんなに業績が良好な銘柄でも、株式市場が下落する際は、テクニカル分析もファンダメンタル分析も関係なく容赦なく売られます。株価下落は株価上昇よりもスピードが早いため、あっと言う間に含み益がなくなってしまう可能性が高いですから、安易な買いは避けなければなりません。株を買わなければ損をすることもありません。底打ちを待ってから株を購入しても全く遅くないことを肝に銘じておきましょう。
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