群馬のおふくろの味 「おっきりこみ」
小麦の産地で、かつては養蚕農家が多かった群馬では、昔から農作業のあと時間をかけずに作ることができる煮込みうどん 「おっきりこみ」 が、どの家庭でも食べられてきました。焼きまんじゅうが専門店や屋台などで食べられることが多いのに対して、お母さんが作る 「おっきりこみ」 は、家で作る料理、まさに群馬の “おふくろの味” です。「おっきりこみ」 は、手打ちのうどんを、粉がついたまま鍋に入れて具と一緒に煮込むため、とろっとした煮汁が特徴です。煮汁は味噌、醤油、そして双方を半分ずつブレンドしたものなど好みが分かれ、麺も太麺、平麺などあり、名前も 「おっきりこみ」 や 「おきりこみ」、「にぼうとう」 といったように、各地域や各家庭ごとに味が違うことも特徴です。
最近では栄養価も高いことが注目され、群馬県も 「おきりこみプロジェクト」 を立ち上げ、 「おっきりこみ大図鑑」 などで群馬の郷土食の特徴や、おっきりこみが食べられる店を詳しくPRしているほか、冬の寒い時期には、 「おっきりこみスタンプラリー」 といった参加型イベントも開催されていますので、観光で訪れた方でも気軽に食べ歩くことができます。群馬を訪れた際には、温かな郷土料理をぜひご賞味ください。
あまから味の名物 「伊勢崎もんじゃ」
群馬県の中部、県庁所在地である前橋市のお隣にある伊勢崎市 (いせさきし) では、独特で癖になる味の 「もんじゃやき」 が名物です。明治の終わり頃から東京の下町で、子供たちのおやつとして親しまれてきたという 「もんじゃやき」。具が多く、土手を作るようにして焼く 「月島風」 に対して、小麦粉やキャベツ、切りイカ、揚げ玉などのシンプルな具に、独特の味付けをした汁を具と一緒に焼くのが 「伊勢崎もんじゃ」 です。この 「伊勢崎もんじゃ」 の最大の特徴が、 “あまから味” です。伊勢崎では、子供がうどん粉を水で溶き、醤油を加えて鉄板で焼いたものが 「伊勢崎もんじゃ」 のルーツとされているそうですが、昔はソースの代わりに、醤油のほかにかき氷に使われるイチゴシロップやカレー粉を入れたことから、隠し味としてイチゴシロップの “あま” 、カレー粉の “から” の両方を入れた 「あまから」 となって現在の 「伊勢崎もんじゃ」 になったそうです。鉄板で焼くことで、イチゴシロップの本来の甘さを残しつつも、カレーの味とうまく混ざったマイルドなほろ苦さがあり、食べ出すと後を引く、まさに癖になる味です。
昔は駄菓子屋さんの片隅で、子供たちの空腹を満たしてきたおやつの定番が、今ではB級グルメとして街おこしの味、新たな郷土グルメとして人気となっています。 伊勢崎商工会議所青年部が制作した「伊勢崎もんじゃマップ」 には、 もんじゃが食べられる専門店などが詳しく紹介されています。
地元コンビニで味わえる最近話題の 「メロンパンアイス」
最後に番外編として紹介するのが、最近メディアでも取り上げられ注目されている 「世界で2番目においしい焼きたてメロンパンアイス」 です。石川県が本社の株式会社グランタスが、東京など全国各地に店舗を展開する人気商品ですが、2015年からは地元のローカルコンビニ 「セーブオン」 でも食べられるようになりました。今では県内の2店舗(セーブオン前橋南インター店、セーブオン伊勢崎駅前店)で気軽に食べることができます。こだわりのメロンパンは、店内で焼きあげたアツアツなメロンパンで、受け取った時に思わず 「あったか~い!」 と叫んでしまうほどでした。その中に冷たいアイスをサンドしてあり、メロンパンの生地で作った小さなラスクが添えられています。サクサクしたパンとアイスのひんやりトロトロした食感が新鮮な一品です。