認め合えるきょうだい関係を育むために、親はどうするべきか?
兄弟姉妹のなかの立ち位置や関係によって、性格形成や人生の進路、生き方まで影響を受けることがあります。きょうだいがいることで我慢しなければならないことなどもあるけれど、やはりお互いを尊重し合って育っていけたらいいですね。認め合えるきょうだい関係を育むためには、子どもたちとどう向き合えばいいのでしょうか?上の子のプライドを大切にする
小さくても上の子としてのプライドはしっかりある
筆者自身は3人きょうだいの真ん中で、我が家には5人(四男一女)の子どもたちがいますが、一番上の子というのはなかなか大変な立場だなあと感じます。親からすれば、たとえ親の意向が大きかったとしても、一番上の子には自然と色々な経験もさせているし、親にとっては入園も入学も進学も常に初めての経験であり、第1子の子育てには常に全力投球で向き合っていると感じるものです。
でも、それって当の子どもにとっては「だから一番上でよかった」と感じることにはならないのです。あまりうるさく言われず甘え上手な下の子たちを見ると、単純にうらやましくなることもあるようです。
上の子に「上の子らしくしてほしい」と考えるのだったら、まずは上の子のプライドを大切にし、下の子たちにもが上の子に一目置けるような環境を作っていくことが必要ではないかと思います。
「歳なんか関係ない。きょうだいなんだからみんな平等」と言っておいて何かあった時だけ「上の子なんだから」と「上の子らしい」態度を求められても、子どもが納得できないのは当然。これは、「上下関係」が必要だということではなく、例えば「上の子に向かっておまえ呼ばわりをしない」とか、「上の子だからこれぐらいできて当たり前」ではなくて思いっきりほめるなど、上の子が上の子としての誇りを感じられるような接し方ではないかと感じています。
比較せず、その子自身の魅力を見つけて評価
何人兄弟の何番目に生まれたかは、自分にはどうすることもできない動かせない事実。そこに持ってきて、きょうだいと比較されるというのはたまったものではありません。足が速い遅い、背が高い低い、勉強ができるできないなど、きょうだいを比較する意味などないことはわかりながら、深い意味はなく、つい口にしてしまうことがある「あの子はよくできたのに、あなたは苦手なんだね」などの比較の言葉。これだったらまだソフトな言い方かもしれず、「お兄ちゃんはできるのにあんたはできない」「妹の方が生活態度が落ち着いていると先生が言っていた」などは、もう、きょうだいに仲が悪くなれと言っているようなものかもしれません。
例えば「(器用ではないけど)根気がある」「(素早くはないけど)慎重に行動できる」など、その子自身が持つ魅力をしっかり見て、それを本人に伝えてあげましょう。
きょうだいげんかを成敗しない
我が子たちを見ていると、仲良く笑いながら2階に上がっていった子どもたちが、5分もしないうちに激しいけんかをしながら降りてくることがあります。そしてそのけんかの後、15分もしないうちにまた笑いながら遊んでいたり……。きょうだいげんかには、じゃれ合い、遊びといった部分もあります。もちろん、親がもっと顔をしかめる激しくねちっこいけんかもあります。上の子に「(幼稚な)下の子たちなんか構わなきゃいいじゃない」と、どちらかといえば上の子に同情するような気持ちで声をかけた後に、「どうせあっちの味方なんだ」と言われたこともあります。「年上なんだから」というのは親の見方であり、子どもは「自分を認めてもらう」ことに重きを置いていることを感じさせられた場面でもあります。下の子に対してもまた、ある程度分別がついてきたら「下の子だから」という理由のみで特別扱いしないことも必要かもしれません。
いずれにしても、きょうだいげんかを親が裁こうとすれば、多くの場合必ずどちらかに不満が残り、くすぶり続けるでしょう。成敗するのではなくお互いの言い分をとことん聞くことで、双方ともクールダウンできることがあります。
>>>きょうだいがお互いの魅力に気づくために