石垣を読み解いて撮ってみる
城は、言い方を変えれば戦国時代の要塞です。この“要塞として見る”というのが城をより興味深く撮影していくヒントになります。
敵の兵が攻めてきたときに、いかにそれを防ぎ城を守れるかを考え作られています。城の防御となるもののひとつが石垣です。
石垣は単なる城の土台ではなく、当時の技術の粋を用いられて作られているものです。年代や地域によって積み上げ方も変わってきます。石垣の積み上げ型には大きく分けて「野面積み」「打込接積み」「切込み接積み」の3種類に分けられます。
- 野面(のづら)積み
不揃いの大きさの天然石を積み上げたもの。石との間に隙間が多くあるのが特徴。
- 打込接(うちこみはぎ)積み
隙間を埋めるために加工した石を間に入れて積んであるもの。
- 切込接(きりこみはぎ)積み
隙間なく石が積めるように加工して積んだものを指します。
簡単にこれらの石垣の積み方の違いを知っておくと、城ごとの違いを見る目安にもなります。石垣の種類の違いを理解することで、写真を撮るときのモチベーションが上がります。
門や櫓にも注目してみる
城を巡るときはどうしても天守を中心に目が行きがちです。そこからもう少し踏み込んだ視点を持つと、写真の幅も広がります。
その視点の先として門や櫓(やぐら)にも注目してみます。
城郭にある出入り口は虎口と呼ばれ、単なる出入り口だけの目的ではなく敵の侵入を防いだり攻撃する役目を持っています。その防御のために作られているのが門になります。
守りを固めたいときには二階、三階建ての造りになっていたり、騎乗したまま通るために上の部分が空いている門など様々な形式が見られます。
櫓は、防御のときの要となる建物。二層以上の造りになっていて敵の頭上から攻撃できるように造られています。また役割をもった櫓は、月見櫓や井戸櫓など名称にも付けられているのでわかりやすくなっています。
これら門や櫓なども戦の要塞として見ていくとひとつひとつが興味深く見えてきます。
城を攻める武士になったつもりでカメラを持って歩いてみるのもおもしろそうです。