住まいや生活の中に溶け込む身近な「ナラ」

“ドングリの木”として親しまれている「楢(ナラ)の木」は、家具や住宅の内装材としても馴染みのある樹種で、ウイスキーなど洋酒の樽や燻製のチップに使われていることでも知られています。
日本のナラ材の中では「北海道産のミズナラがジャパニーズオークとして最も良質といわれています」と話すのは、住友林業 住宅事業本部 資材物流部マネージャーの鈴木千晴さん。北海道のナラ材を使った内装建材の開発を担当しました。

ナラは、ブナ科のコナラ属に属し、ミズナラ、コナラ、カシワナラなどがあります。落葉性の広葉樹で、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界のいろいろな場所に生育しており、日本でも北海道から九州まで広い地域で見られます。
 
国産ナラ材のフローリングを採用した例。ナラ材特有の自然豊かな表情が空間を引き立てています

国産ナラ材のフローリングを採用した例。ナラ材特有の自然豊かな表情が空間を引き立てています


このたび住友林業が発売した「国産ナラ材シリーズ」は、国産の中でも良質と評価の高い北海道産の主にミズナラを用いて、天然の木が持つ自然の美しさを活かしたものです。
 

評価の高い北海道産ナラは希少な材料

ナラという木は硬く、がっしりしていることから「男らしい木」だと表現されることもあります。木目が美しく、年月が経つと深みが増し、色が褪せることもないので人気のある樹種ですが、加工が難しい側面もあります。

北海道産のナラは、国際的に評価が高いものの、大木に成長するのに時間がかかることと、もともとの生育量が少ないことから、市場に出回る量が少ないのが現状です。今回は主にパルプや燃料としても使われている計画的に伐採された樹齢30~50年生を使うことにしました。小径の木ですが、厳しい自然の中で長い年月をかけて育った木々に見合う価値と丹精込めて育ててきた人々に感謝し、手間を惜しまず丁寧に内装材に仕上げました。
 

自然がつくり出す豊かな表情が魅力の樹種

「国産ナラ材シリーズ」は、木が持つ本来の豊かな表情を活かした内装材のシリーズです。
特に小径の木の特長として枝が生えた跡の「節(フシ)」、強い木目や色になる幹や枝を支えていた部分の「あて」、木の成長過程で若く明るい色の「白太(シラタ)」があります。
また、ナラ材には「虎斑(トラフ)」と呼ばれる独特の模様(斑)があります。これは木が養分を蓄えたり吸収した跡で、虎の縞模様に似ていることからそう呼ばれています。
力強く育ってきたこれらの痕跡がユニークな表情を生み出しています。
 
素足で歩いたときの心地よいぬくもりは無垢でしか味わえないもの。虎斑や節、あて、白太といった“表情”も、天然の木だからこそです

素足で歩いたときの心地よいぬくもりは無垢でしか味わえないもの。虎斑や節、あて、白太といった“表情”も、天然の木だからこそです


無垢フロアは厚さ15ミリ、幅は114ミリと、一般的な床材より厚みも幅も大きめに仕上げました。「今回は主に直径25センチ前後の小径木を使っているので厚みや幅を大きくすると量が取れません。木目や節(フシ)、虎斑(トラフ)、色の差などナラ材の魅力である様々な表情を楽しんでいただけるように幅は114ミリ、継ぎ目部分の溝を深くし、重厚感を出すために厚さ15ミリ、思い切って贅沢な木取りをしました。」と鈴木さん。表面は木のぬくもりや肌触りを直接感じることができるオイル仕上げです。

また、床暖房に対応した「挽板フロア(120ミリ幅)」もラインナップ。無垢フロアと同様にナラ材の表情はそのまま、表面を保護するUV塗装で仕上げています。

「国産ナラ材は動きが大きい樹種のため、綿密で徹底した乾燥管理が必要です。また、木目が美しい反面、木の繊維が粗いため表面が滑らかになるまで何度も磨きます。特に継ぎ目部分のR溝はすべて手作業なので大変です。完成に至るまで手間をかけて製造してくださった方々には本当に感謝しています。」と鈴木さんは振り返ります。
 

日常のお手入れは乾拭きが基本

普段のお手入れは、乾拭きだけ。汚れが気になるときは、洗剤は使わず、硬く絞った濡れ雑巾で拭いてください。木は水気が苦手なので長時間ぬれたままにせず、早めに拭きとってください。無垢フロアはワックスを使わずに、1年に1度を目安にオイルを塗布すれば、乾燥を防ぎ、割れが発生しにくくなります。
 
床材のほか、リビング収納の扉や室内ドア、階段、手摺なども「国産ナラ材シリーズ」で統一できます

床材のほか、リビング収納の扉や室内ドア、階段、手摺なども「国産ナラ材シリーズ」で統一できます


この国産ナラ材ですが、実は2010年に床材を扱っていた時期がありました。好評をいただきながらも、ナラ材を上手く調達できず3年で販売終了となりました。その後、必要量を安定的に調達できる体制をグループ会社と約3年かけて構築し、ようやく「国産ナラ材シリーズ」として再発売しました。今回は床材の他に、室内ドアや収納の扉材、階段、手摺などラインナップも充実しています。
希少なナラ材は木の可能性に思いを馳せる山元と木の特性を知り尽くした製材所から供給してもらいます。

この「国産ナラ材シリーズ」は木のキャラクターを最大限に表現した商品です。これだけ個性的な商品は私たちにとって初めての試みでしたが、出来上がった商品を見た瞬間にナラ材に魅了されました。木目・色合いともに同じものはなく、濃淡はもちろん、節(フシ)も風合いのひとつとなります。好きなインテリアや家具に囲まれて過ごす楽しさと同じように、豊かな自然の表情を持つ「ナラ材」に囲まれて暮らす気持ち良さややすらぎを感じてください。

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