大記録達成が繰り上がる可能性も
マーリンズ・イチロー外野手(42)の来季のエポックは、間違いなく、残り65本に迫っているメジャー通算3000本安打だが、ここに来てその達成に追い風が吹いてきた。現時点では来季もイチローの“第4の外野手”という立場は変わらない。しかし、MLBドットコムによれば、マ軍はマルセル・オズナ外野手をトレードに出すことを画策しているという。「オズナのトレードに成功すれば、42歳になったイチローの来季の出場機会が増え、3000本安打到達のチャンスが高まる」と報じた。
マ軍は、今季123試合に出場し、打率.259、10本塁打、44打点の成績に終わり、夏場には不振でマイナー落ちも経験したオズナと、先発候補ピッチャーとの交換をマリナーズに持ちかけている。その裏には、オズナの代理人であるスコット・ボラス氏が起用法に介入してきたこともあり、放出要員となっている。
今季、イエリッチ、スタントンのケガなどにより、イチローは“第4の外野手”だったにも関わらず、出場153試合は外野手の中でトップだった。そして、前半戦に47本、後半に44本の合計91本のヒットを放った。月間平均は、15.2本。このペースで考えると、2016年8月には通算3000本安打を達成する計算になるが、出場試合数や打数が増えれば、大記録達成が7月に繰り上がる可能性も出てくる。
バリー・ボンズ打撃コーチとのコラボにも期待が高まる
新しく指揮官に就任したドン.マッティングリー監督は、イチローに一目置いている。「イチローに敬意を抱く。彼の野球に対する考え方や、取り組み方を評価しているし、イチローはチームのための重要な選手だ」と言い切る。マッティングリー新監督は、ドジャース監督時代からスタメンを相手の先発投手に応じて、左右の打者を変幻自在に起用していくことで有名。オズナ放出ともなれば、イチローの対右投手用のスタメン起用が必然的に増えていくだろう。
マッティングリー新監督はまた、新加入のバリー・ボンズ打撃コーチとのコラボにも期待している。「イチローとボンズが同じチームで仕事をすることも楽しみだ。ぜひともイチローとボンズに会談を持ってもらいたい。私がマネージメントしたい」とまで言う。
3000本安打達成にあと65本のイチローと、メジャー歴代最多アーチ記録を持つボンズとの合体によりもたらされる相乗効果は計り知れないと考えているのだ。
今季、打率.229という数字が表しているように低迷したシーズンだったイチロー。それが、ボンズからの刺激で、復活へのヒントをつかむかもしれない。高い次元のアスリート同士にしかわかない何かを得れば、3000本安打は思いのほか早く達成することになるだろう。