紹介状の中身って?

紹介状の中身って?

病院を変えたり大きな病院を受診するときに必ず必要といわれるのが紹介状。でも、なぜ紹介状が必要なのでしょうか?今回はちまたによくいわれる誤解を含め、紹介状の意味をお話します。

病院の紹介状には何が書いてあるの?

基本的な紹介状の内容は、書式は違ってもだいたい同じ。以下のような情報が記載されています。

  • 基本情報:
    氏名、生年月日、性別など
  • 紹介目的:
    なぜ紹介したか
    例えばクリニックが大きな病院に紹介する場合は詳しい検査や入院・手術の検討の依頼が多くなりますし、逆に大きな病院がクリニックに紹介する場合は経過観察やリハビリ、治療の継続などが主になります。また、転居に伴って引っ越し先の病院に今後の治療をお願いする場合などもあります。
  • 病名もしくは症状:
    患者さんが何で困っているか
  • 治療経過:
    どんな症状があって、どういう治療をしたか

その他、薬や検査など、詳しい治療内容のデータ等を必要に応じて添付します。

病院の紹介状は知っている相手にしか書けないの?

意外と驚かれる話ですが、紹介状を書く場合、相手の医師や病院を直接知らないで作成することはよくあることです。これは別に日本に限った話ではありません。

例えば英語の紹介状の書き出しは"To whom it may concern"、つまり「関わるであろう人」、日本語だと「ご担当者様」といったところになります。この書き出しひとつを見ても、紹介状自体が必ずしも知り合いに向けて書かれているのではないことはわかりますよね。

もちろん、紹介したい医師がはっきり決まっている場合は医師の名前が宛名にくることになります。

「紹介状がある」ということが暗に意味すること

「紹介状は知り合いじゃないと診ない、みたいな感じですか?ないと知り合いじゃないから待ち時間とかが長くなるんですか?」と何人かの患者さんから実際に聞かれたことがあります。しかしながら、これはほぼ誤解です。

まず、先にお話しした通り、紹介状は必ずしも知り合いに書くとは限りません。

さらに、日本は国民皆保険でフリーアクセス、つまり多少の制約はあっても希望の病院を受診できる医療制度ですが、「限りある医療資源を有効に、最も必要な人に必要な処置を」という原則から、よくある病気は近くの診療所で、診療所で対応できなければ病院へ、それでも対応が難しければ大病院へ紹介する、という流れがあります。

つまり原則的には、紹介状がある、ということはそれだけ重症である、ということを暗に意味します。その分予約がとりやすかったり、待ち時間が少なくなったりするので、冒頭のような誤解が生じるのかもしれません。特に大きな病院の医師は「紹介状がある=重症である、もしくはその病院でしかできない検査や処置を必要とする」と考える傾向があるということは知っておいた方がいいかもしれません。

また「行きつけのお医者さんが紹介状を書いてくれなかった」という話を聞くことがありますが、その場合、大きな病院に紹介するほど重症ではない、と医師が考えている場合がほとんどだと思いますので、何らかのコミュニケーションが必要かと思います。

次ページでは、紹介状が何のためにあるのか、どのように役立つのかをご紹介します。