北陸の観光・旅行

芭蕉も絶賛!死ぬまでに見たい那谷寺と山中温泉の絶景(2ページ目)

金沢駅から約1時間の距離にあり、金沢からの日帰り旅行や小トリップにぴったりな加賀地方。北陸を代表する山中・山代温泉など伝統の温泉地が集まるエリアとして知られていますが、加賀の魅力はそれだけではありません。松尾芭蕉を魅了した太古の海底噴火の跡と言われる奇岩霊石がそそり立つ遊仙境を有する那谷寺、砂岩の浸食によって形成された北陸随一の渓谷美を誇る鶴仙渓は死ぬまでに1度は行くべき日本の美しい絶景です。

吉田 薫

執筆者:吉田 薫

金沢ガイド

松尾芭蕉も絶賛!渓流に耳を傾け、風光明媚な景観に見惚れる

あやとりはし@鶴仙渓

草月流家元の勅使河原宏氏が「鶴仙渓を活ける」というコンセプトに基づいてデザインした「あやとりはし」。

今から1300年前の奈良時代に東大寺の大仏造立の実質的責任者として知られる高僧・行基によって開湯されたと伝わる山中温泉。その山中温泉に寄り添うように流れる大聖寺川の約1.3kmに渡る渓谷が鶴仙渓(かくせんけい)です。

ちょっと変わった名前の由来は明治時代の書家・日下部鳴鶴から。砂岩の浸食によって形成された多数の奇岩怪石が見られる北陸随一の景勝地で、「おくのほそ道」の旅の途中で立ち寄った松尾芭蕉も“行脚の楽しみここにあり”と手を叩いて喜んだとか。
黒谷橋@鶴仙渓

鶴仙渓の下流にかかる「黒谷橋」。以前は木製の橋でしたが、昭和10年に石橋に架け替えられました。

渓流沿いには遊歩道が整備されており、その芭蕉が絶賛した風景の中をそぞろ歩くことができるようになっています。鶴仙渓に架かるこおろぎ橋・あやとりはし・黒谷橋の3つの橋もデザイン・素材ともにそれぞれ違って個性的なので、できれば全部渡ってみてくださいね。

四季折々に違った表情を見せ、1年を通して楽しめる鶴仙渓ですが、先に紹介した那谷寺同様、紅葉の名所として知られ、目の覚めるような鮮やかなオレンジや朱、紅に染まった景観は圧巻のひと言。
鶴仙渓

芭蕉が「かがり火に河鹿や波の下むせび」と詠んだ鶴仙渓。こおろぎ橋の近くに句碑が建っています。

例年11月中旬~下旬が見頃で、ちょうど温泉の季節でもあるので、芭蕉が有馬・草津と並ぶ扶桑の三名湯と讃え、「山中や菊は手折らじ湯の匂ひ」と詠んだ名湯に癒されながら紅葉狩りなんていかがでしょう。

とは言え、毎年4月~10月まであやとりはしの袂に川床がお目見えし、山中温泉出身で和の鉄人として有名な道場六三郎氏のレシピによる絶品スイーツを味わうことができるほか、11月~3月までは温泉街の町人旅人亭前で同じく道場氏監修のこだわりの食材で作ったかに汁大鍋が毎日振る舞われるので(1杯200円)、例え紅葉の時期に行けなくてもがっかりする必要はありません。
鶴仙渓

毎年4月~10月にはあやとしはしの近くに川床が設置され、和の鉄人・道場六三郎氏考案の絶品スイーツを食べられます。

また、黒谷橋の袂には松尾芭蕉を祀った芭蕉堂、こおろぎ橋近くには古九谷や加賀蒔絵、千利休ゆかりの茶道具を展示している加賀藩家老だった横山家の書院を移築した無限庵があり、周囲の見所も多い散策スポットになっています。

鶴仙渓
住所:〒922-0127 加賀市山中温泉下谷
TEL:0761-78-0330(山中温泉観光協会)
営業時間:-
定休日:-
観覧料金:-

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