アート・美術展/おすすめ展覧会・イベント情報

2015年12月のオススメ展覧会・美術展(3ページ目)

Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷)の「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」、上野の森美術館(上野)の「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵-美の競艶 浮世絵師が描いた江戸美人100選」、埼玉県立近代美術館(埼玉)の「旅と芸術ー発見・驚異・夢想」、川崎市市民ミュージアム(川崎)の「江口寿史展 KING OF POP」、水戸芸術館(茨城)の「3.11以後の建築」をご紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

美術館のなかで世界旅行
埼玉県立近代美術館(埼玉):旅と芸術ー発見・驚異・夢想 

ジュール・ヴェルヌ著『海底2万マイル』(海底散歩の場面/アルフォンス・ド・ヌヴィル画)、梅花女子大学蔵

ジュール・ヴェルヌ著『海底2万マイル』(海底散歩の場面/アルフォンス・ド・ヌヴィル画)、梅花女子大学蔵

旅は、私たちにとってたくさんの新しい発見、驚き、そして思い出を残してくれる大きなイベント。日常生活から離れた土地で得た経験は、どんな時代の人々にとってもかけがえのないものです。これまでに多くの旅人が旅行記を書き、目にした風景をスケッチにしたため、大切な体験を心に留おけるよう記念の品を持ち帰っていました。この展覧会は、その「旅」をテーマに据えたもの。主に西洋近代の絵画や版画、そして写真や挿絵本を通じて、「旅」を読み解いていこうとするものです。


アンリ・ルソー《マルヌ河畔(秋、ダムリー・ブールソーの眺め)》1906年、油彩・カンヴァス、公益財団法人ハーモ美術館蔵

アンリ・ルソー《マルヌ河畔(秋、ダムリー・ブールソーの眺め)》1906年、油彩・カンヴァス、公益財団法人ハーモ美術館蔵

たとえばアンリ・ルソーが描いた《マルヌ河畔(秋、ダムリー・ブールソーの眺め)》は、パリからほど近いシャンパーニュ地方が舞台。ルソー独特のタッチで描かれた絵画には、「旅」には欠かせない当時発達してきた鉄道と、昔ながらの船が対比される形で描かれています。

ひとくちに「旅」といっても、時代によってそのイメージや意味合いは大きく異なっています。展覧会では、近世から20世紀までを6部にわけ、鉄道や汽船などの交通手段の発達と、バルビゾン派や印象派などとの関わり、オリエンタリスムやジャポニズムなどの異国へのあこがれなどさまざまな切り口で「旅」を見ていきます。

展覧会の監修を務めるのは、アンドレ・ブルトンの『シュルレアリスム宣言』の翻訳を手掛ける仏文学者で、紀行作家としても知られる巖谷國士。展覧会へ出かけ、いままで知らない世界を発見することも、「旅」と呼べるかもしれません。ぜひ、この展覧会を旅してみてください。

■展覧会DATA
展覧会名称: 旅と芸術ー発見・驚異・夢想 
会場:埼玉県立近代美術館
会期:2015年11月14日(土) ~2016年1月31日(日)
開館時間:10:00~17:30
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜(祝日の場合は開館)年末年始(12月24日(木)~2016年1月4日(月)
Web: http://www.pref.spec.ed.jp/momas/


次のページでは川崎市市民ミュージアム(川崎):江口寿史展 KING OF POPを紹介します。
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