整理術の達人は、キャリアについて考えたこともなかった?!
お金が貯まる整理術とは
自宅暮らしで悠々自適のOL生活から、結婚を機に専業主婦に。しかし結婚して専業主婦になるということは、経済的にどういうことを意味するのか全く分かっていなかったと当時を振り返ります。
――社会人としてのスタートは一般職だったそうですね?
鈴木真理子(すずきまりこ)さん バブル入社組といわれた世代で、10年以上、典型的なOLとして保険会社で働いていました。30歳近くになって今後のキャリアをどう考えているのかと上司に問われ答えることすらできませんでした。ただ、このままではいけないという思いもあったので「金融の仕事に役立つ、資格の勉強はしてみます」と答え、ファイナンシャルプランナー(AFP)資格を取ったんです。
――ファイナンシャルプランナーに興味があったのですか?
鈴木さん いいえ。ただ、マネー関係の本や雑誌を読むのは好きでしたし、社会人になってからはお小遣い帳のようなもので収支を記録したりしていましたから、お金について少し勉強してみようかなと……。キャリアアップというより、退職してから住宅ローンを組んだり預金するとき「学んでおいてよかった」と実感しました。
社会に再デビューしたくなった理由とは
――結婚を機に会社を辞められたんですよね。どうして仕事を再開したのですか?鈴木さん ごく普通のOLでしたから、結婚したら専業主婦になるものだと思っていました。特に深く考えず、辞めてしまったんです。それに独身時代は自宅暮らしでしたから、生活していくにはどのくらいお金がかかるかといったことが、実感として理解できていなかったんでしょうね。OL時代の貯蓄はそれなりにありましたが、結婚資金で私のお金はほとんどなくなっていました。
――毎月、決まった日に給料が振り込まれる会社員生活を辞めたことを、ちょっと後悔する気持ちがあったのでしょうか?
鈴木さん 生活していくにはお金が必要だということに、人生で初めて気がつきました。専業主婦として家族をサポートする覚悟も足りなかったです。家事をテキパキとこなし地域社会の皆さんと楽しそうにしている同世代の方々がまぶしく見えました。「自分は何がしたいんだろう……」と思ったとき「仕事かもしれない」と。そこで一念発起して、再就職支援講座に参加したんです。
大苦戦の再就職活動。最初は年収4万円
――再就職活動は順調に進みましたか?鈴木さん 再就職支援講座の講師の方に、年齢の数以上の会社から不採用通知をもらうことを覚悟して就職活動をしなさいといわれましたが、本当にその通りでした。さまざまな会社に応募しましたが、正社員としての採用は全滅。パート、アルバイト、派遣などにも応募し、ようやく採用された派遣社員も短期間でクビ。働きたくても働けないという日々でした。
――そこから、人材開発などのインストラクターというのは意外な気もしますが……
鈴木さん スタートは、講師をしている知り合いの方のアシスタントになったことでした。アシスタントといえば聞こえはいいですが、付き人のようなもので研修に同行してホワイトボードを消すといった、いわゆるお手伝いをしながら修行するんです。アシスタントとしての年収は4万円程度でしたから、ほかのアルバイトもしながらという日々が数年続きました。
転機となったのは、ある企業の新入社員研修を担当させてもらったことです。実績もない上に20倍くらいの応募があったようですが、ベテランにはないヤル気があるということで採用されました。就職活動で不採用になってばかりでしたから、仕事をしたくてしょうがないオーラが出ていたのかもしれません(笑)。
★次回はビジネスインストラクターとしての活動を始めた鈴木真理子さんが、中でも整理・整頓に注目し“整理術”のプロになるまでのお話をうかがいます。
教えてくれたのは……
鈴木真理子(すずきまりこ)さん
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取材・文/鈴木弥生