アメリカンバイクとは思えない軽快さがバルカンSの持ち味

バルカンS リアビュー

バルカンS リアビュー


「あれ?軽い」

バルカンSに跨り車体を起こした瞬間に、そんな印象を持ちました。今まで試乗したアメリカンバイクに比べて、圧倒的に軽く感じたのです。帰ってから調べてみるとバルカンSの車重はABS搭載モデルで227kgしかありません。200kgを超える車重は決して軽いとはいえませんが、アメリカンバイクの中では異例の軽さです。

同じぐらいの排気量で言えばホンダ・シャドウファントムが250kg、少し排気量が下のクラスで言えばヤマハ・ドラッグスター400が234kgです。これらの数字を見比べるとバルカンSがいかに軽量に設計されているかに気がつきます。

座ると両足がべったりの良好な足つき性もありシートに跨ったまま容易に車体を前に進めたり下がったりすることができます。車体の重いアメリカンバイクを押し引きするのは慣れないうちは怖く感じることもありますが、バルカンSはその心配はなさそうです。

低中回転を重視したセッティングにしたというエンジンはスムーズに吹け上がり、トルクもしっかりあるので、エンジンのキャラクター自体はアメリカンらしい味付けと言えるかもしれません。しかしバルカンSはそれに加えて車体が軽いため加速が驚くほどスムーズ。低いギアで高回転まで回せば目が覚めるような加速を体感できます。ただ、アメリカンらしい“鼓動感”が伝わってくるかと言われれば、そこまで感じないかもしれません。エンジンはとても静かなのでアメリカンらしいサウンドのエンジンではありません。

独特のレイアウトで搭載されているリアショックは「オフセットレイダウンシングルリアショック」と言われるもので、乗り心地はとてもスムーズ。いやむしろ若干固めでスポーティーな味付けと言えるかもしれません。車体が軽量であることも手伝ってブレーキもよく効くのでコーナーもそれなりに楽しむことができます。町を走っている程度では簡単にステップをすることもなさそうです。

今回の試乗時での町乗りの燃費は実測値で20.2kmでした。タンク容量は14Lなので満タンにすれば282.8km走る事が出来る計算となります。ちなみにバルカンSのメーターには燃費計がついていますが、車両の燃費計では19.7km/Lをさしていましたので比較的信頼できそうです。

アメリカンをイメージすると違和感があるが……

ローロングスタイルは確かにアメリカンスタイルではありますが、異型ヘッドライトにパラレルツインエンジン、軽量な車体、鼓動感のない滑らかなエンジン。これらの特徴は他のアメリカンバイクとは明らかに異なります。

アメリカンバイクの王道を求める人にはバルカンSは向いていません。しかし個人的には今回カワサキが出してきた新しい提案は大いに受け入れたいと思います。

ツーリングバイクと言えばアメリカンと言われていた時代もありましたが、現在ではスポーツツアラーやアドベンチャーバイクが主流となってきました。徐々にアメリカンバイクに求められる性能も変わってきていると思うのです。

足つき性の良さと軽量な車体は停車時の圧倒的な取り回しのしやすさや日常的な使い勝手にもつながります。スポーティーに仕上げられた足回りはツーリング先の山道でも楽しみながら走ることができます。

マルチに使えてスポーティーさも兼ね備えたアメリカン。これはカワサキのアメリカンカテゴリ車両に対する新しい提案です。

バルカンSをちょっとカスタムするなら

街中も楽しく走れちゃうバルカンSですが、やはり真骨頂はツーリング!シート下などの積載もあまりないのでリアキャリアかサドルバッグは装着したいところです。

サドルバッグを装着するなら車体との干渉を防ぐ為にサドルバッグサポートを装着するのがお勧めです。

 

 専用のスクリーンは高額なバルカンSですが、汎用品なら安く抑えることができます。車体のイメージに合わせてスモークタイプを選べばスクリーンの野暮ったいイメージも若干シャープにできます。

バルカンS関連リンク

■バルカンSのエンジン音 マフラー音 各部詳細はこちらの動画でご確認下さい。
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