ミレニアムに誕生した新世紀のハーレー Vロッド
ハーレーの水冷モデルと言えば、ストリート750よりも10年以上前の2003年に登場したVロッドが存在します。ハーレー初の水冷モデルであることに加え、あのポルシェが開発に関わったことなどが当時話題を集めました。その独特の風貌とライドフィールから、「ハーレーというよりもVロッドに乗りたい」というファンを獲得しています。
2016年ラインナップにはVRSCDX ナイトロッド スペシャルとVRSCF Vロッド マッスルの2モデルがあり、いずれも同じ水冷60°Vツインエンジン「レボリューション」を搭載しています。先ほどのストリート750のレボリューションXと同じく、空冷45°Vツインエンジン「ツインカム」と見比べてみると、レボリューションは近未来を予感させるもの。
実際に乗ってみて真っ先に感じるのは、強烈な加速力!元々このVロッドはアメリカのモータースポーツ「ドラッグレース」参戦を見越して開発されたもので、レーサーらしいパンチ力のある走り出しにやや興奮してしまいます。ハーレーが目指した新しい価値観が感じられることでしょう。
VRSCDX ナイトロッド スペシャル
エンジン、フレーム、ホイールなどベースとなるあらゆるディテールがブラックアウトされた、その名にふさわしいダークスタイルが魅力のナイトロッド。ドラッグバーにフォワードコントロールとなかなかタイトなポジションを強いてきますが、以前のモデルはもっとキツかったので、一昨年のマイナーチェンジから多くの人にとって乗りやすいモデルへとシフトした印象です。実車の風貌は写真以上のインパクトがあるので、ぜひ現物をご覧になっていただきたいですね。
[メーカー希望小売価格](消費税込)
・ビビッドブラック:215万円
・モノトーン:218万5,000円
[スペック]
全長2,440mm×全幅890mm×全高1,065mm/車重302kg/シート高675mm/ホイールベース1,705mm/排気量1,246cc/エンジン:水冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブ『レボリューション』/タンク容量18.9リットル/燃費15.9km/L/タイヤサイズ(F)120/70 ZR19 M/C 60W(R)240/40R18 M/C 79V
>> VRSCDX ナイトロッド スペシャル(2015)の試乗インプレ記事
VRSCF Vロッド マッスル
そのネーミングからかなりマッチョな印象を受けるマッスルですが、実際に目の前にすると思っていたよりもコンパクトなモデル。そう、必要な筋肉を凝縮させたプロアスリートのようなバイクと言えるでしょう。それでいてフレイムス(炎)のグラフィックが入るなどアメリカンな雰囲気もたたえており、いろんな意味で“くすぐってくる”モデルなのです。
[メーカー希望小売価格](消費税込)
・ビビッドブラック:205万円
・モノトーン:208万5,000円
・ツートーン:212万円
[スペック]
全長2,410mm×全幅950mm×全高1,065mm/車重307kg/シート高705mm/ホイールベース1,700mm/排気量1,246cc/エンジン:水冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブ『レボリューション』/タンク容量18.9リットル/燃費15.9km/L/タイヤサイズ(F)120/70 ZR19 M/C 60W(R)240/40R18 M/C 79V
既成概念にとらわれることなく未来を切り開こうとする水冷ハーレー。空冷モデルと乗り比べればその際立ったキャラクターを掴み取れることでしょう。機会をもってぜひ現車に触れてみてください。