中国が利下げと預金準備率の引き下げを発表

2014年11月以来6度目となる利下げと預金準備率の引き下げを発表!日本株への影響は?

2014年11月以来6度目となる利下げと預金準備率の引き下げを発表!日本株への影響は?

10月23日の寄り付き前に(上海市場終了後)、中国の中央銀行である人民銀行が、2014年11月以来6度目となる利下げと預金準備率の引き下げを発表しました。具体的な内容は1年物の基準貸出金利と基準預金金利を0.25%引き下げ、預金準備率を0.50%引き下げたことになります。また、預金金利の上限も撤廃されました(これは金融改革に伴う金利の自由化への動きであり、プラス評価できます)。

今回の利下げは10月24日より適用され、1年物基準貸出金利は4.35%に、1年物基準預金金利は1.50%となり、預金準備率は17.5%まで引き下げられることになります。また、中小銀行や農業支援のために一部の銀行の預金準備率は更に0.50%引き下げられます。

このタイミングで中国当局が利下げを実施した理由をおさらいしてみましょう。まず、中国は2015年第3四半期のGDP成長率が、ついに7%を割り込み6.9%となったことを10月19日に発表しています。ちなみに、その他の経済指標から考えると、実際には6.9%を下回っているとするエコノミストもいます。ともあれ、中国経済がスローダウンしていることには違いありません。

中国経済がスローダウンした理由の1つはドル高に伴う人民元高

では、どうして中国経済がスローダウンしているのかということですが、これはもちろん、中国の一人当たりGDPが拡大して伸びしろが小さくなってきたことや、労働人口の減少という構造的な問題もありますが、ここ1年ほどで言えば、ドル高の影響が大きいと言えます。
実質的にドルペッグしている人民元。ドル高の影響で人民元高になっており、中後経済の悪材料となっています

実質的にドルペッグしている人民元。ドル高の影響で人民元高になっており、中後経済の悪材料となっています(チャートは下に行くほど人民元高となっていることを意味しています)

まず、中国の通貨である人民元のレートは中国の中央銀行である中国人民銀行が決定していますが、その決定プロセスは明らかになっていません。しかし、過去の推移を見る限り、基本的に人民元は米ドルにペッグした動きとなっています。ところが米ドルは、金利の先高感によって2014年後半から20%前後、他の通貨に対して上昇しています。このため、米ドルにペッグした動きとなっている人民元も米ドル以外の通貨に対して大きく上昇しました。20%の上昇といえば、日本で言えば1ドル=120円から1ドル=96円まで円高になるようなものです。日本でもそれだけ円高になれば経済は低迷し、株価も下がると思います。したがって、中国の景気が落ち込んでいるのはある意味、当たり前ともいえると思います。

そこで中国政府は経済を活性化させるために金融緩和を行い、自動車や不動産などの購入を促進させるための景気刺激策を矢継ぎ早に打ち出しています。今回の利下げもその一環なのです。

日本株への影響はポジティブ。ただし、中国の景気浮揚には追加対策が必要

では、今回の利下げは日本株にはどのように影響するでしょうか? まず、利下げは中国株にとってプラスです。直近5度の中国利下げのうち、直後に大きく中国株が上昇したのは最初の1回目だけでしたが、今回は久しぶりにサプライズ感もあります。 さらに言えば、10月26日~29日に開催予定の第18期中央委員会第5回全体会議(5中全会)を直前に控え、市場は追加金融緩和や景気刺激策を期待しているところでもあります。中国株の安定が世界の株式市場に与える影響は小さくないと思いますし、もちろん日本株にとってもプラスに働きます。

また、世界的な金融緩和への期待感を助長する観点からも日本株にとってプラスだと思います。23日はECBのドラギ議長が追加金融緩和を示唆する発言をしましたが、米国が利上げを猶予している間に欧州、中国、そして日本が追加金融緩和を行って景気回復の道筋をつけることができれば、世界的な業績相場への移行も視野に入ってきます。

したがって、今回の利下げは目先、日本株にとってプラスに働くでしょう。しかしながら、中国経済が今回の利下げによってどれほど回復できるかはなんとも言えません。たとえば、中国政府は過去1年で5回利下げをしてきたわけですが、結果として経済成長率はスローダウンしたままです。中国経済回復には、今回の利下げだけでは当然不十分で、複合的な景気浮揚策が必要になってくるでしょう。

参考:グローバルリンクアドバイザーズの最新投資ブログ

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