今回の記事では、リフォームを検討するときに一緒に考えておいてほしい工事以外の費用についてまとめてみました。全体予算を把握する上で、見落としやすい部分ですので、事前にチェックして備えておきましょう。
1. 現場管理費、設計・申請費用など
設計や現場管理など、施主の目に見えないところでも動いてくれている人たちがいます。そういった費用も予算に入れておく必要があります。
また設計事務所などに意匠設計(デザイン的な設計)や工事監理(監督・管理)を依頼するときは工事費用の10~20%ほどの監理費が請求されますが、追加工事などで工事費用がかさめば、その分監理費も増えてきます。逆に一部工事を取りやめた場合などで工事費用が減額、あるいは中止になったとしても、それまでにかかっている監理費は請求されると思われますので、これら費用についても事前に工事業者や設計事務所と打ち合わせておくようにしましょう。
2. 家電、家具、カーテン等購入費用
間取りによってはエアコンや家具を買い替えるケースもあります。リフォームではとても重要な要素なので、予算かも忘れてはいけません。
リフォーム後の暮らし方だけでなく、床材や壁材との色合いや、コンセントやエアコンダクトの位置が関係してくることも多いので、できればこれらの費用はあらかじめ一定予算を計上しておいて、衝動買いになってしまわないように計画しておく方が良いでしょう。
3. 契約に関する費用、ローン手数料、税金
契約の際に必要な印紙や、手数料、税金なども資金計画に大きな影響を与えます。それらについても工事会社と打ち合わせをしておくようにしたいものです。
特に中古住宅を購入してリフォームする場合は、さらに出費項目が増えてきます。
・契約書の印紙代(印紙税)
・不動産会社に支払う仲介手数料
・固定資産税や管理費の清算金(日割り計算)
・登記費用(司法書士報酬)および登録免許税
・ローン保証料(手数料) ※ローン利用有の場合
・生命保険料および火災保険料 ※ローン利用有の場合
・(購入した数か月後)不動産取得税
・(翌年度から毎年)固定資産税 など
4. 仮住まい、トランクルーム費用、駐車場費用
仮住まい費用や駐車場費用も決して馬鹿になりません。特に工事が遅れてしまえば、賃料もその分かかってしまうので、工期の影響を受ける費用の一つです。
また、居住しながらリフォームできるとしても日常生活に不便を感じることもありますし、工事のボリュームによっては仮住まいを借りた方が工事が早く終わり安上がりになる場合もありますので、工事業者としっかりと打ち合わせしておきましょう。
この他にも資材などを搬入したり、作業の都合上工事車両の出入りで、敷地にマイカーを置けなくなることもありますので、近隣の駐車場を借りる必要が出てきます。これらの賃貸費用を全体の予算計画の中に盛り込んでおくと、追加出費で慌てることがなくなると思います。
リフォームは工事も計画も「段取り」が肝!
いかがでしたでしょうか。キッチンをリフォームするため外食費用が必要になるとか、浴室リフォームでは銭湯や日帰り温泉施設の利用料金が発生するとか、それらが家族にとって通常のレジャーの範囲であればさほどギスギスすることはないのでしょうが、生涯のうちに何度も行うものではないリフォームであるからこそ、後悔のないようにしっかりとした資金計画で取り組むべきなのだと思います。工事職人たちは「段取りが大切」とよく言います。準備が悪いければ仕事も進みませんし、事故も発生しやすくなります。リフォームを計画するときも同じで、打ち合わせ当初からリフォーム中の段取りを考えておけば、お金のことで慌ててしまうことも少なくなるはずです。工事以外の費用についてもきちんと目を向けて、予算化しておくようにしたいものです。