「魚選びは自宅にて」を読み、漠然と飼ってみたい魚が決まっていることと思います。協調性や飼いやすさを考慮した上、最初は余り多くの魚を入れないで、比較的丈夫な種類を選び、60cm規格水槽であれば3、4cm位の魚を10匹程度からスタートし、徐々に増やしていくのが良いでしょう。
お目当ての魚が決まったら、熱帯魚専門店に行きましょう。同じように見えても全く違う種類の魚もいるので、店員に確認しながら選ぶようにしましょう。その際、下のような状態の魚は避けて下さい。
- 体に白い点々が付いている
(白点病という病気に罹っている)。 - 体や鰭に出血が見られる。または鰭がぼろぼろに裂けている
(細菌性の病気に罹っている可能性が高い)。 - 底や物陰でじっとしている、もしくは水面でフラフラしている
(そういった習性の種類もいます)。 - 怯えていたり、群れから離れ1匹だけでいる。
- 目に見えて弱っている個体。
元気な魚は、水槽の前に立つと餌をくれると思い寄ってきます。それを参考にするのも1つの手です。また、良心的なお店であれば、状態の悪い個体は売らないので、自分で判断できなければ店員に選んでもらうと良いでしょう。
また、入荷直後の魚は、長旅で疲れていることが多いです。
と、移動のたびに水質が変わり、輸送のストレスからダメージを受けている場合が多いので、入荷後1週間以上経過しているかを確認の上で購入すると良いでしょう。良心的なお店であれば、魚の状態と併せ教えてくれる筈です。そういった質問を嫌がるようであれば、余り良心的ではないと言えるでしょう。
●温度合わせ
買ってきた熱帯魚を早速水槽に移したいところですが、急いではいけません。自宅の水槽と袋の水温には、多少の温度差があります。急激な温度差を与えると、その後の病気の原因となったり、ひどい場合はショック死してしまうこともあります。
袋の水と水槽内の水が同じになるように、袋ごと水槽に30分以上浮かせておきます。購入時に袋には、酸素が充填されていますので、酸欠の心配はありません。
●水質の調整
水温差は無くなりましたが、pHや硬度、その他諸々の水質を、袋の水と水槽の水を近づけるために水合わせを行ないます。こちらも、変化が大きいまま導入してしまうと、
- 魚がきりきり舞いをする。
- 鰓(えら)の開閉が激しくなり、呼吸が速くなる。
- 体表の粘膜が剥がれ落ちる。
などの症状を示し、時には死んでしまうことがあります。その多くが『pHショック』と呼ばれるもので、pH値に開きのある水に移動した際にショックを起こす症状です。これを避けるために、袋と水槽の水質を少しずつ近づける作業が必要となります。
特に難しい知識や作業が必要となる訳ではなく、移動する水槽の水を少しずつ時間をかけて、購入してきた袋に移し変えるだけです。目安としては、袋の水量に対し約20%の水槽の水を10~15分間隔で、例えば、袋の水量が5Lであれば、水槽の水を1Lいれる。15分後に、袋の水を1L捨ててから、水槽の水を1Lいれる。この作業を5、6回繰り返した後にゆっくりと魚を水槽に放します。こうすることにより水質の急激な変化が避けられるので、魚への負担が軽くなります。この作業を行うのと行わないでは、その後の生存率に影響しますので、必ず実行してください。
Note! 購入前には、魚の状態をよく確認すること。 導入時は、温度、水質の変化に気をつける。 |