熱帯魚を飼うためには、水槽、ろか器、照明、ヒーター&サーモスタット(保温器具)が、最低限必要となります。水槽に関しては説明するまでもありませんが、ろか器は水を濾過(ろか)して魚が住みやすい環境を整えるための器具。照明は、蛍光灯が最も一般的で、魚や水草を綺麗に見せる効果と、水草を育成(光合成)するのに必要になります。
また日本と比較して、温暖な地域に生息する魚を飼うわけですから、ヒーターを用いて加温する必要があります。しかし、ほとんどのヒーターには、加温する機能しかないため、温度調整を行なうサーモスタットとの併用が必須です。
この他にも、水槽の底に敷く砂利、温度計、水槽の背面に貼り付け魚や水草を引き立たせる効果のあるバックスクリーンなどがあると良いでしょう。特に砂利は重要で、水を綺麗にするバクテリアの住処になり水質を安定させる効果と、水草を植えるために必要です。
▲水槽 | ▲ろ過器(外掛け式フィルター) |
▲照明 | ▲水温計 |
▲ヒーター | ▲サーモスタット |
これら器具類は、単体でも販売されていますが、飼育に必要な器具の大半がセットになったスターティングセットが、各メーカーから割安に販売されているので、初めて飼う方はそのようなセットから始めるとお買い得です。各メーカーともにセット内容は概ね共通ですが、一部買い足す必要があるセットも多々あります。ここで概ね必要なアイテムを説明していますので、参考にしてください。
水槽 | ◎ | ろ過器 | ◎ |
照明(ライト) | ○ | ヒーター&サーモスタット | ◎ |
水温計 | ○ | 底砂 | ○ |
バックスクリーン | ○ | 水槽のフタ | ○ |
水槽台 | ◎ |
しかし、実際に専門店やホームセンターに行くと、様々なサイズ、形状の水槽が販売されていて、どれを購入すれば良いのか迷ってしまう程です。よく初心者の方が言われるのが、「初めてだから、小さい水槽で……」。イヤイヤ、それは間違いです。
余り小さな水槽(水量が少ない水槽)だと、水質の管理がかえって難しくなってしまいます。これは、水量が少ないほど、
- 魚の排泄物などに拠って水が悪るくなるのが早い
- 水温、水質の変動が起こりやすい
などが原因で、また飼育できる魚の数も限られてしまいます。
設置スペースの都合がつかない場合を除き、標準規格の横幅60cm(横60×縦36×奥行30cm)の水槽で始めるのが無難と言えるでしょう。やむをえず、小型水槽で始めるのであれば、飼育匹数を抑え、より慎重な管理が要求されます。ただし、極端に魚の飼育数を多くしたり、食べ残しが出るほど餌を与えてしまったりしなければ、小型水槽でも十分飼育を楽しむことは可能です。
60cm標準水槽は、管理が行い易いことも選択の理由の1つですが、普及サイズのため量産され、値段的にも手が出しやすい価格帯ということも理由の1つです。初めのうちは、あの魚もこの魚も…と、色々な魚を飼ってみたくなるものです。60cm水槽であれば、メダカ位のサイズであれば、徐々に増やせば約50匹は飼うことができます。
熱帯魚の飼育は、経験に左右される部分が大きいことから、初めての水槽は経験値の無さを補ってくれる、ある程度の水量のある水槽で始めることをお勧めします。
Note! 水槽の水量が少ないほど、水質の管理が難しい。初めての水槽は、60cm水槽ではじめた方が無難。それ以下の小さな水槽で飼育をはじめる場合は、飼育匹数を押さえて! |