男女の関係はますます多様化する
男女関係はますます多様化していく。
夫婦が家族となり、相手を異性として見られなくなっているなら、性的欲求だけは他で満たすのもありなのではないだろうか。もちろん、配偶者との間にコンセンサスがないなら、隠しておくほうが無難ではあるが。
50代の女性は、悶々としながらも「一歩」を踏み出すことができずにいる。
「子どもができたら、夫とはいつの間にかレスになって、もう15年近く何もありません。でも夫とは仲が悪いわけじゃない。もう同志みたいな感覚なんですよね。夫が倒れたら下の世話はできる。だけどセックスはできないと思う。夫も同じ思いじゃないかなあ」
ふと自分の中の“女”が目覚めそうになる?
「ちょうど更年期で心身ともに調子が悪いときがあるんです。だけど先日、女友だちと久々に食事に行って、隣のテーブルにいた男性グループとなぜか盛り上がっちゃって。その後、みんなでカラオケに繰り出したら、楽しくて楽しくて。その中のひとりが、“あなたみたいな素敵な女性と友だちになりたい”と言ってくれたので、連絡先を交換したんです。連絡は来たものの、デートなんかしちゃっていいんだろうか、と今迷っているところです」
デートくらい、いいのではないだろうか。
もっと言えば、セックスしたっていいと個人的には思う。
自分の生活の中で抜け落ちたものがあり、それを満たしたいと思うなら、行動を起こすしかない。
結婚生活を大事にしながら、セックスだけは外で満たす。夫婦それぞれが暗黙のうちにそうしているカップルは少なくない。これをお互いにオープンにしてしまうと、いろいろ問題が起こる。だから相手には知らせない。配偶者を軽んじているわけではないのだ。
「夫のことは家族として大事。だからこそできない。そして今さらできない。でもセックスはしたい」
そうやって悶々としているくらいなら、一歩踏み出してみてもいいと思うのだ。
もちろん、それを勧める気はない。
ただ、人生は一度きり。いざこの世を去るときに、あのとき一歩踏み出しておけばよかった、という後悔をするのは、あまりにせつないのではないだろうか。