私たちにできること-事前の備え

災害用持ち出し品としては、少なくとも1週間分程度のフードと水、食器、首輪またはハーネスとリード、薬及び救急用品、連絡先がわかるもの、愛犬の健康状態がわかる記録、愛犬の写真、トイレ用品、ブラシ、タオルなどが考えられますが、準備をしておいても状況によっては持ち出すことすら困難な場合もあるでしょう。何より大事だとガイドが思っているのは、迷子札と愛犬の移動方法です。

マイクロチップは有効ではありますが、読み取り器がなければその個体の情報を知ることはできません。家族と離れ離れになり、放浪する犬も出る中で、何より手っ取り早く身元を確認できるのは迷子札でしょう。災害時に関わらず、迷子札さえ付けていれば家族の元に帰れるのに……という犬は多くいます。愛犬には是非迷子札を付けてあげて欲しいと思います。

また、犬の移動については車で避難できるならまだしも、歩いてとなると中型犬以上では条件が厳しくなり、抱いて移動する場合には両手もふさがってしまいます。転がすタイプのキャリーを用意してあっても、水害ともなると役に立たないことが多いと思われます。自分が住む地域ではどんな災害が予測されるのか情報を得た上で、必要に応じ、背負えるタイプのキャリーや大型犬用の移動補助グッズ、犬用ライフジャケットなども災害用に用意しておくのもいいでしょう。

 

 

私たちにできること-事前の情報収集

ハザードマップ

一度くらいは自分が住む地域のハザードマップを確認しておきたい(出所:常総市ホームページより)

たとえば、各自治体ではその地域で予測される災害の状況を地図化したハザードマップを作成しています。今回の台風で被害の大きかった常総市でもハザードマップが作成されていたものの、それを上回る被害となったということですが、ガイドも自分が住む地域のハザードマップを確認してみました。

ガイドの自宅の近くには一級河川があり、昔から豪雨になると川が氾濫することがあります。ガイドの自宅も浸水予測地域の中に入っています。近くにある指定避難所はどれもが浸水地域内にあり、万一大きな水害が起こった場合には遠くに逃げるしかないということがわかります。こうした災害情報を一度くらいは確認しておくことで、災害の状況によってどこに向かって避難すればいいのか咄嗟の判断材料にもなるでしょう。特に、その土地に後から引っ越してきた人たちにとっては有用な情報になるはずです。

私たちにできること-災害が起こったら

突発的な災害で即座に対応するのはなかなか厳しいものがあると思いますが、犬もパニックになってしまう場合もあるので、とにかくリードにつなぐ、キャリーに入れるなどして身の確保を。特に水害時、最も心配されるのは外で飼育されている犬たちです。リードやチェーンでつながれたまま、囲われた中で放置されたままであると、逃げ場がなく、最悪命を落とすことになります。避難が予想されるのならば、なるべく早くに室内に入れる、一緒に逃げられるよう場所を変えるなどしてあげて欲しいと思います。

私たちにできること-被災者及び被災動物へのバックアップ

災害が起こった場合、多くのボランティアが必要になります。被害の様子を知るにつけ、自分も何か協力したいと考える人も多いことでしょう。ペット同行で避難した人たちは自分のペットの世話について責任をもつのはもちろん、避難所での基本的ルール作りにも努力しなければなりません。自分のことだけでも精一杯な状況の中、疲労も増すことでしょう。とにかく愛犬のことが少しでも落ち着かないと、自分は休む気にもなれないという避難者は多くいます。

義援金を送る、物品を寄付するという他、自治体によっては災害時に協力してもらえる動物救護ボランティアを募集しているので、そうしたものに登録しておくという形で自分の気持ちを具体化することもできます。何より心強いのは、日頃より信頼できる犬友だちをつくっておくことだと思います。

私たちにできること-心がまえ

以前、ガイドが住む地域でも豪雨により各所で冠水し、停電のために信号が消えた夜の町を何台ものパトカーや救急車、消防車が行き交うという事態がありました。近しい人間が乗った車が冠水した道路にはまり込み、立ち往生していると連絡を受け、水がどんどん溜まる場所であったことからすぐに助けに向かったものの、途中の道路も冠水しており、今度はガイドの車も動かなくなってしまってパニックに陥りかけたことがあります。幸い、エンジンがすぐに戻り、助けに向かうことができましたが、夜通し降りしきる雨と冠水した水の中で過ごした、あの冷たさと寒さ、そして緊張は忘れることができません。

これがもっと大きな災害だったら……と思うと怖くもなり、それを体験した方々の心情はいかばかりかとただただお察しするばかりです。誰もが自分は災害とは無縁でいられるだろうと思っているのではないでしょうか。いえ、無縁でいたいという気持ちがそう思わせるのかもしれません。しかし、わかりきったことではありますが、災害は人事ではないということは肝に銘じておくべきなのでしょう。

(備考)
  • 浸水した中を歩いて避難する場合、マンホールが下水の蓋が外れていたり、用水路に落ちてしまったりすることもあるので、できれば傘や長い棒なようなもので地面を確認しながら進むのがよい。
  • 冠水した中をどうしても車で走らなければならない場合、車のマフラーより水位が高いとエンジンが停止する恐れがある。水の中を走る場合は、10km程度の低速で、アクセルは戻さぬようにして走る。詳しくは一般社団法人自動車連盟(JAF)ホームページ>交通安全とエコ>JAFユーザーテスト>水没を参照。


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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。