熱帯魚/熱帯魚入門・用語辞典

#11 pHが上昇しない(上昇剤使用)

醗酵式でCO2添加しているのだが、pHが低い為上昇剤を使用するのだが、僅かしか上がらない。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド

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pHが上昇しない(上昇剤使用)


Q.pH値が5.5~6.0の値を示すので、pH値を上げる目的でpH上昇剤を使用しました。しかし、思ったほどpH値が上がってくれません。どうすれば、pHを上げることができるでしょう。

また、pH上昇剤を使用しているにも関わらず、何故pH値が上がらないのでしょう。

【飼育データー】
  • 発酵式CO2添加装置を使用
  • 底床は、普通の川砂利
  • 飼育魚は、サカサナマズ1匹、ネオンテトラ25匹、マーブルセルフィンプレコ1匹、その他4匹。
  • pH以外は、計測していない。
  • 水替えは週一で1/3~1/2
  • 今回の水替え時に拡散筒を取り除いてpH計測したら、約6.5の値を示した。


デジタルペーハーメーター
pH値の測定は、もっとも手軽にできる水質の管理。pHを測定することで、色々な情報がわかる。
A.pH低下の原因は色々あります。例えば、生物の排泄物やバクテリアの活発な活動も、原因の1つです。しかし、水量に対して飼育匹数も多くなく、換水ペースも適切なので、余程『濾過槽』『底床』が汚れていなければ、これらがpH降下の原因ではないでしょう。

頂いた情報から推測すると、発酵式のCO2添加装置が原因だと思います。醗酵式によるCO2の添加は、添加量の微調整が効かないため、場合によってはかなりのCO2が溶け込みます。pH値は、CO2の溶解量に反比例して降下しますので、これが原因と考えてまず間違いないと思われます。

ここで重要となるのが、pHの値は、CO2以外に『炭酸塩高度(KH)』にも影響されることです。KHが低い(または0に近い)状況では、水に緩衝作用がないので容易にpHが変動します。この様な状況では、pH上昇剤を使用しても一時的な効果しかなく、すぐ元の値に戻ってしまいます。

一度、テストキットでKHを測定された上で、市販のKH上昇剤でKH2~4程度に調整すれば適切なpH値になる筈です。
具体的な商品名を挙げますと、

  • Dupla「KHジェネレータ」
  • Tetra「KHプラス」
  • ADA「ブライティーK」

などが有名です。

なかでも、ブライティーKは、水草用の液体肥料なので、特に意識しなくても適切なKH値に落ち着くのでお勧めです。使用のコツは、メーカーの提示する添加量の1/3~1/5程度を毎日添加です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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