北陸新幹線長野駅から特急バスで扇沢へ
立山黒部アルペンルートは山岳観光として、かつてから人気のコースだったが、北陸新幹線開業で一段とアクセスがよくなり、首都圏からは日帰りも可能となった。いくつもの交通機関を乗り継いでいくので、気軽に雄大な山岳風景を満喫できるのも魅力だ。このたび、長野から富山までルートを走破してみた。「異色の鉄道」をはじめ、各種の乗り物を紹介しながら、旅をレポートしてみたい。
東京駅発6時28分発の北陸新幹線「はくたか」(大宮発は6:54、高崎発は7:20)で長野着8時08分。さっそく、長野駅東口9時00分発のアルピコ交通扇沢(おおぎざわ)行き特急バスに乗る。白馬長野有料道路経由で山を越え、信濃大町を通り、1時間半少々で扇沢駅に到着する。ここが、立山黒部アルペンルートの長野側の起点である。
電車の仲間、トロリーバスに乗車
関電トンネルトロリーバス。屋根の上に集電用ポールがある
最初に乗るのは、関電トンネルトロリーバス。何だバスか、と早合点してはいけない。トロリーバスというのは、法規上は鉄道、日本語では無軌条電車という。普通の電車同様頭上の架線から集電しているので、線路はないけれど、道路ならどこでも走れるわけではないのだ。クルマではないので車体にナンバープレートもついていない。鉄道だから扇沢駅発なのだ。
車両の定員は座席数36、立席を入れると72人と決して多くはないので、4両が間隔を置いて続々と発車していく。通常は30分間隔、乗ったのは11時ジャスト発で、16分ほどで終点黒部ダム駅に到着する。ほとんどがトンネルの中を走り、途中に壁が青く光っている破砕帯を抜ける。大量の地下水が湧きでて難工事だった区間だ。
徒歩で黒部ダムを横断
黒部ダム駅からはダムの堤防上を歩いて黒部湖駅へ。展望台からダムや周囲の山々を眺めながらゆっくり散策できる。長い階段を上り下りするので、足腰が弱い人は大変かもしれない。最短でも800m、15分程かかる。