FOMC、日銀会合前に荒い展開続く日経平均
波乱の展開が続く株式市場、まずは流れをしっかり見極めることが肝要です
「売り方の買い戻しが発生しただけ」との見方もありますが、そうとも言い切れないと思います。というのも、単なる買い戻し主体の上げに過ぎない場合は出来高を落とすものです。9月9日(水)の東証一部売買代金は前日より約9000億円増えて3兆1千億円を超える大商いでしたが、(単なる買い戻し主体の上げに過ぎない場合は)このような異例の大商いにはならないものです。
ちなみに、9月9日(水)の日経平均の大幅高の要因について、日本では「中国の財政出動期待と中国株反発を好感して」という解説が多かったのですが、米国の新聞では、「安倍首相による法人税引き下げ案を好感して」という解説が見受けられました。法人税が数%引き下げられれば、自動的にROE(純利益÷株主資本)も数ポイント向上でき、これは日本企業全体に大きな影響を与えます。欧米投資家はROEを重視して投資判断を下します。米国の新聞による解説が正しいかどうかは別として、東証の6割の売買は外国人投資家ですので、彼らのものの見方は重要と思います。
結果を見てから投資判断を下すのが賢明か
ところで、9月第1週の統計によると、個人投資家は4週連続買い越しとなったものの、海外投資家は4週連続売り越しで、売越額も個人投資家を上回りました。相変わらず「海外投資家 対 個人投資家」という構図であり、そして過去も相場は常に海外投資家の賭ける方向に動いてきました。ただし、前述の通り、9月9日(水)の様子を見ると、9月第2週に関しては、海外投資家が買い越していると予想されます。このような流れを見ると、9月9日(水)を起点に短期的な流れは変わっており、もちろん9月16日(水)~17日(木)のFOMCの結果次第ですが、今後の日本株は上昇を期待できるとする見方も出来ると思います。
ただ、事前の予想が当たれば、その急騰や急落で儲けることが出来るかもしれませんが、当然ながら予想が外れれば損をします。そして、予想を常に当て続けるのは誰にも不可能です。したがって、現段階で予想をたてて大きく動くよりは、結果を見てから内容を十分吟味して、投資方針を決めていくようにした方が賢明と思います。たとえば、過去の日銀の異次元緩和を見ても、事前に予想などしなくとも、緩和策や追加緩和発表の次の日に買えば、その後、日経平均は何割も上がっていったわけです。長い投資人生においては、大きな上昇トレンドの波に乗れるかどうか、そして、大きな下落の波を避けられるかどうかが大きなポイントになってきます。そのためにも、まずは、流れをしっかり見極めることが重要だと思います。
参考:日本株通信
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