筋力トレーニング

運動を継続することにより、膝や腰の痛みが軽減される可能性もあります。

加齢により筋肉量は徐々に減少していきます。自分ひとりで家事ができない、入浴ができない、外出ができないといった「要介護状態」では、筋肉を使う機会が激減しているかもしれません。部屋に閉じこもり、終日完全に横になって過ごすと1日につき5~6%の筋肉を失ってしまいます。

ここで「もう歳だからやっても無駄」と諦めてしまう人や、トレーニング中のケガを心配する人もいるかもしれませんが、何もせずに筋肉量が減少していく方がよほど病気やケガのリスクが高めるといっても過言ではありません。

筋力トレーニングで筋肉量の減少を防ごう

筋肉量が減少すると、持久力・柔軟性・瞬発力など全般的な体力が低下していきます。姿勢も崩れやすくなり、腰痛や膝痛を発症しやすくなります。思うように力が出ない、何をするにも疲れるといった状態から食欲低下および栄養不良、抑うつ状態を促進させる悪循環から抜け出せなくなってしまう問題も指摘されています。

日常生活の自立を促す筋力トレーニングとは?

何歳になっても、適切なトレーニングにより筋肉量を回復させることができます。筋力トレーニングといえば、重たいおもりを使った運動やマシーントレーニングを真っ先にイメージするかもしれませんが、食事・着替え・入浴・移動などの日常生活動作の自立を目的とした筋力トレーニングでは、必ずしも汗だくになる程の負荷をかける必要はありません

10のうち2しかなかった筋力が3に改善されるだけでも、ふだんの動作をだいぶ楽に感じることができるでしょう。腰痛・膝痛の緩和、肥満、糖尿病の改善、意欲の向上なども十分期待できます。

二つのトレーニングを日常生活に上手く取り入れよう

筋力トレーニング

地域で開催される介護予防教室を活用し、自分の身体に合った運動を探していきましょう。

筋力トレーニングには、関節を曲げ伸ばしして筋肉の長さを変えながら「収縮」させる方法と、背筋をピンと伸ばした状態を数秒~数十秒間保つように、筋肉を「緊張」させる方法の2種類があります。

前者は、床からの立ち上がりや移乗、歩行など、よりダイナミックでパワーを要する動作を獲得する際に必須となり、ゴムチューブやおもりを用いて、少しずつ負荷をかけていく方法や、トレーニングマシンを利用する方法が採用されます。

後者のトレーニングは、筋肉の持久力を高める目的で行われ、例えば、ヨガや太極拳のようなゆっくりとした動きをイメージすると分かりやすいかもしれません。身支度や家事、机上作業など、より微細な手先のコントロールや姿勢の保持を必要とする動作で必要となる力を得ることができます。

また、筋肉は「速筋」と「遅筋」の2種類の繊維によって構成されており、高齢になると瞬発力やパワーに富む速筋は急速に衰えていく一方、持久性に優れた遅筋は長く残存する傾向がみられます。スピードを伴うトレーニングはやや難易度が高くなりますので、行う際は慎重に行わなければなりません。

なかなか成果が上がらない時に
チェックしておきたいポイント:「姿勢」

自分なりに筋力トレーニングをしているけれど、なかなか成果が現れない場合は、身体に何らかの無理・負担をかけているか可能性があります。その際、真っ先に確認して欲しいのがトレーニング時の「姿勢」です。

できるだけ良い姿勢でトレーニングを行っていますか?

不安定な場所で行う筋力トレーニングは、あまり効果的ではありません。
実際に比較してみるとよく分かります。例えば、両腕を同時に高く挙げる(バンザイ)動作を

  1. 硬い座面の椅子に座って行う
  2. ふかふかのベッドの上に座って行う

として比べてみます。(1)と(2)で、力を入れる部分・踏ん張る部分が全く異なるのに気付いたでしょうか。

さらに、同じ動作を目をつぶって行ってみるとどうでしょうか。両手の位置は左右不均衡、腰や背中が曲がっていたり、片足の踵や膝が浮いているなど、腕以外の余計な部分に力が入り、おかしな姿勢になっていくのが分かると思います。鍛えたい部分は腕なのか足なのか腰なのか。目標をしっかりと捉えるためには、安定した場所でできるだけ良い姿勢(=できるだけ左右対称)を保ちトレーニングを行わなければなりません。

要介護状態になっても諦めない「筋力トレーニング」

身体の状態や体調に応じた適切な運動を継続することにより、要介護状態を改善させることができます。筋力トレーニングは、比較的効果を得られやすい上に、全般的な健康状態に良い影響を与えるため、たとえ手足が不自由になっても「残された力」を活かしながら「今できる方法」で挑戦してみることをお勧めします。ダンベル運動やラジオ体操など、皆さんにお馴染みのトレーニングも効果的です。

筋力トレーニングについては、ここで挙げたポイント以外にも、食事や休養、睡眠、余暇の過ごし方などの生活習慣が運動の成果に影響を及ぼしている可能性があります。詳しくは次回の記事で紹介します。




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