日経平均は21年振りの大幅上昇!上昇転換のサインか?
日経平均の大幅上昇は上昇転換へのサイン?それとも? 相場は岐路にたっています。
まず、確認しておきたいことは中国株、更なる暴落の可能性は?でも述べましたが、大きすぎる上昇の出る相場は、実は良くないのです。下図は1970年以降の日経平均の一日での前日終値からの騰落率、ベスト&ワースト20位です。大幅下落は相場崩壊時に起きると誰でも想像できますが、実は大幅上昇も多くは相場崩壊時に起きていることがわかります。
1970年以降では2015年9月9日の上昇率は8位にランク付けされますが、その他、ランキングに入った日付を見てみると、最も目立つのは2008年のリーマンショック前後の時期の上昇です。その他では1997年後半からの急落の時期や、2001年のインターネットバブル崩壊時の最中、1990年以降のバブル崩壊前後の時期などもあります。
ちなみに、これとは別に日本経済にとってあまり良くない指標も出ています。下記は内閣府が発表している景気ウォッチャー調査の現状判断DIと先行き判断DIの推移ですが、8月の調査では両方が共に2ポイント以上の悪化となっており、これは過去、長期の株価の転換点となるサインの1つとなってきました。
短期には反発の可能性も、長期展望はまだまだ不透明
もっとも、日経平均、ニューヨークダウやナスダックなどの株価推移を見ると、とりあえずは8月下旬からの急落は底を打ったような形となっています。そのような状況の中での商いを増しての大幅上昇ですから、短期的には一概に悪いことだとも言えません。ただ、本当は9月9日(水)の大幅上昇後に一段高となって8月28日(金)につけた戻り高値を抜くような状況になっていれば二番底形成完了で強気の相場展望が期待できたのですが、その後の株価推移を見ると、9月16日(水)~17日(木)のFOMCに向けて持ち合いが続くような形成となりつつあります。
今後はFOMC次第ということになりますが、利上げに対して市場が予想しているよりも保守的なメッセージが出てくれば、ひとまずは反発が期待できると思います。
ただ、仮にそうなったとしても、前述の通り、9月9日(水)に起こったような、歴史的な大幅上昇は、必ず大下落相場の合間に起きている事実は覚えておいた方がよいと思います(上昇相場の中では逆にこのような大幅上昇は発生せず、1~2%の小幅上昇がずっと続いていくイメージです)。今回の例で言えば、FOMC後に反発できたとしても、たとえば50日移動平均線前後で跳ね返されて再び下落転換となり、9月8日(火)につけた最安値を再び割っていく展開になる恐れも残っていると思います。具体的には2007年10月の急落→大反発→再び急落して安値を割るのイメージです。
その時その時の状況をしっかり吟味しながら、リスク管理を重視した投資姿勢を持つことが肝要と思います。
参考:日本株通信
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