ボルボのディーゼルはどうか?
V40、V40クロスカントリー、S60、V60、XC60と一気に5モデルにディーゼルモデルを追加したボルボ。ガソリン仕様よりも概ね4割くらい燃費が良くなり、ハイオクガソリンと軽油との差額も大きいとなると、ハイオクを指定する輸入車の場合、その恩恵がより大きくなる。
搭載されるディーゼルエンジンは、上記5モデルともに「D4」と呼ぶ2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボで、190ps/4250rpm、400Nm/1750-2500rpmというスペックで、8ATとの組み合わせ。JC08モードは車種によりばらつきがあるが、20km/L前後(18.6~21.2km/L)。
試乗したのは1540kgという車両重量のV40 D4 SEと、1800kgあるXC60 D4 R-DESIGN。
軽いV40では非常にトルクフルで、高速道路の法定速度にもあっという間に到達し、登り坂が続く山道でもグイグイと車体を持ち上げてくれる。高速域のパンチ力はそれなりだが、それよりも分厚いトルクによりスポーツカー的な走りを披露してくれる。
ディーゼルとのマッチングの良さを感じさせるのがXC60で、V40のように驚くほどトルクフルではないが、重さに対して「ちょうどいい」加速ぶりで、運転しやすい印象を受けた。登り坂の山道でも豪快に巨体を持ち上げるような走りが可能だが、フロントノーズが重くて曲がりにくいのは致し方ないだろう。
それでもパワーよりもトルクが欲しくなるSUVにはぴったりで、V40ではかなり大きめに感じられる音や振動もエンジンから運転席まで遠いためか、遮音、吸音対策の違いか分からないが、車内にいればそれほど気にならないレベルに収まっている。
なお、ディーゼルの音や振動が気になるのはガソリン車やハイブリッド車から乗り替えれば当然だろう。どのメーカーでもそうだが、アイドリングストップが作動すれば信号待ちでも音、振動はしないわけだし、速度域が高くなればほかの音や振動が高まるから気にならなくなる。もちろん、オーナーになればそのうち慣れてものもあるだろう。
ガソリン仕様よりも高額になるディーゼルエンジン仕様
ディーゼル搭載車は、音や振動面をのぞくと「良いとこだらけ」ではない。CX-3のようなディーゼル専用モデルをのぞき、どのモデルもガソリンエンジン仕様よりも価格設定は高く、ある程度距離を走る人でないと「元が取れない」点やクルマ(エンジン)が重くなり、軽快な走りではガソリン仕様の方が上などの側面もあるから、自分に合っているかも選択する際のポイントにしたいところだ。
そうはいってもこれだけクリーンディーゼルが認知されると、今回はマツダとボルボを取り上げたが、導入されたばかりのランドクルーザー・プラドや今後日本で市販化されるアウディ、ジャガー、フォルクスワーゲンなどのディーゼル搭載車も注目を集めることは必至で、低燃費や安い軽油ですむ点、トルクフルな走りで人気はより高まるはずだ。