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なぜ続々と登場!? クリーンディーゼル車の魅力(3ページ目)

日産の先代エクストレイルが第一号だったが、それ以来、メルセデス・ベンツやBMW、そしてマツダが投入している「クリーンディーゼル」エンジン搭載モデル。「ユーロ6」をクリアしたほかの欧州勢も続々と日本に参入させている。その魅力とは何か?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

ボルボのディーゼルはどうか?

ボルボD4エンジン

190ps/400Nmを発揮するボルボのクリーンディーゼル「D4」。400NmものトルクでV40はもちろん、1800kgあるXC60でも必要十分といえる動力性能を確保している


V40、V40クロスカントリー、S60、V60、XC60と一気に5モデルにディーゼルモデルを追加したボルボ。ガソリン仕様よりも概ね4割くらい燃費が良くなり、ハイオクガソリンと軽油との差額も大きいとなると、ハイオクを指定する輸入車の場合、その恩恵がより大きくなる。

搭載されるディーゼルエンジンは、上記5モデルともに「D4」と呼ぶ2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボで、190ps/4250rpm、400Nm/1750-2500rpmというスペックで、8ATとの組み合わせ。JC08モードは車種によりばらつきがあるが、20km/L前後(18.6~21.2km/L)。

試乗したのは1540kgという車両重量のV40 D4 SEと、1800kgあるXC60 D4 R-DESIGN。

軽いV40では非常にトルクフルで、高速道路の法定速度にもあっという間に到達し、登り坂が続く山道でもグイグイと車体を持ち上げてくれる。高速域のパンチ力はそれなりだが、それよりも分厚いトルクによりスポーツカー的な走りを披露してくれる。

XC60

車重が軽いV40はもちろんだが、XC60でも2.0Lディーゼルターボの仕事ぶりに不満はなく、重量があるSUVとの相性の良さも感じさせる


ディーゼルとのマッチングの良さを感じさせるのがXC60で、V40のように驚くほどトルクフルではないが、重さに対して「ちょうどいい」加速ぶりで、運転しやすい印象を受けた。登り坂の山道でも豪快に巨体を持ち上げるような走りが可能だが、フロントノーズが重くて曲がりにくいのは致し方ないだろう。

それでもパワーよりもトルクが欲しくなるSUVにはぴったりで、V40ではかなり大きめに感じられる音や振動もエンジンから運転席まで遠いためか、遮音、吸音対策の違いか分からないが、車内にいればそれほど気にならないレベルに収まっている。

なお、ディーゼルの音や振動が気になるのはガソリン車やハイブリッド車から乗り替えれば当然だろう。どのメーカーでもそうだが、アイドリングストップが作動すれば信号待ちでも音、振動はしないわけだし、速度域が高くなればほかの音や振動が高まるから気にならなくなる。もちろん、オーナーになればそのうち慣れてものもあるだろう。

ガソリン仕様よりも高額になるディーゼルエンジン仕様

クリーンディーゼル搭載車

燃費や軽油指定、トルクフルな走りなどディーゼル搭載車の魅力は大きいが、ガソリン仕様よりも車両価格は高い場合がほぼすべてといえる状態なので、燃費で元が取れるかも考えたいところ


ディーゼル搭載車は、音や振動面をのぞくと「良いとこだらけ」ではない。CX-3のようなディーゼル専用モデルをのぞき、どのモデルもガソリンエンジン仕様よりも価格設定は高く、ある程度距離を走る人でないと「元が取れない」点やクルマ(エンジン)が重くなり、軽快な走りではガソリン仕様の方が上などの側面もあるから、自分に合っているかも選択する際のポイントにしたいところだ。

そうはいってもこれだけクリーンディーゼルが認知されると、今回はマツダとボルボを取り上げたが、導入されたばかりのランドクルーザー・プラドや今後日本で市販化されるアウディ、ジャガー、フォルクスワーゲンなどのディーゼル搭載車も注目を集めることは必至で、低燃費や安い軽油ですむ点、トルクフルな走りで人気はより高まるはずだ。

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