東大生の家庭学習法
今回は現役東大合格生から学んだ「特に効果があった」という学習法を公開しましょう。家庭なら簡単に親子でできる手法です。そして効果てき面。その手法とは「学習の初めに●●をする!」です。音読学習と黙読学習の違い
音読で学習効果倍増
「一体、彼らはどんな学習法を行ってきたんだろうか?」個人的にもとても興味深々で講習の当日、空き時間に数人の野球部の東大生にインタビューしました。
その中で意外と多かったのは、「家で学習するときにまずは音読から始めました」ということでした。音読学習は、インプット(読む)とアウトプット(発音する)を同時に行うことがきるのです。
黙読は、目と脳だけで行いますが、音読は目と脳と口と耳を動かし、目から脳に行って口から出てもう1度自分の耳に入ってきます。また黙読の場合、難しい漢字や人の名前を適当に読み飛ばししているかもしれませんが、音読なら詰まったり読めなかったりしたところが自分ではっきり認識でき、それ自体が大きな刺激になります。
その積み重ねで頭の回転が早くなり、会話が上手くなるといったコミュニケーション能力を高める作用もあるでしょう。さらに「立って音読する」「歩きながら音読する」は足や体をたくさん使うのでもっと脳に刺激を受けると思います。
音読学習のさらなる効果
黙読も脳を活性化させる効果はありますが、音読はさらに脳の血流を増加させ、劇的に脳を活性化する効果もあります。例えば「テレビを見ている時」や「テレビ・ゲームをしている時」では、ものを見る時に働く「後頭葉」は活発ですが、脳の司令塔の「前頭葉」の働きは良くないそうです。さらに、考え事をしている(脳を使っているように見える)時は、前頭葉はおろか後頭葉すらほとんど働いていないそうです。そこで、音読をすることによって脳の記憶や学習、感情を司る「前頭前野(おでこの部分)」を鍛えることができます。それにより、次の効果が期待できます。
・記憶力向上
・コミュニケーション能力が高まる
・思考の回転が早くなる
・発想力・連想力・思考力が向上する
・感情のコントロールが上手になる
だから家庭学習ではまずは音読をして脳を活性化してから学習に取り組んでください。すると学習のランナーズハイ(マラソンランナーが高揚していく)状態になると思います。特に効果が出るのは、音読を10分ぐらい続ける、できるだけ大きな声でできるだけ早く読む、などです。噛んでもいいので早く読みましょう。社会や国語は特にいいでしょう。その結果、試験の問題も早く黙読でき深く理解できますから……。
提案・親が子どもの音読を聴く
これにもう一つ付け足して提唱したいことがあります。それは親が子どもの音読を横で聴くことです。いい意味の緊張も伴いそれがお互いの刺激になります。
勉強の本質とは、先ず理解してから学び記憶することです。効果的に「記憶」を高めるためには、たくさんの刺激(緊張)を脳に送ることだと思います。
そのために相手に伝えるという意識は抜群。私が受験生に向けて行っているセミナーでは、受験期に子どもに新人アナウンサーになりきっていただき発声練習「アエイウエオアオ」「カケキクケコカコ」「サセシスセソサソ」や早口言葉「隣の客はよく柿食う客だ」などを大きな声で練習してから家庭学習を始めるトレーニングもしています。その後「子どもが集中できた。気分転換になった。数学の計算が調子よく解けていた」というお便りもいただいています。
親子で挑戦
親に聞いてもらうとさらに学習効果が上がります