日本企業の業績見通しは良いのに株価はなぜ下がる?
株価は先行指標。現在の業績が堅調であることと株価の動向はあまり関係がない
8月28日の時点では、株価底打ちの根拠として、日本経済・企業収益の堅調さが挙げられていました。もちろん、円安や原油安によって日本企業の業績が堅調であることは間違いないとしても、残念ながら、出来高と株価の組み合わせから、「底打ち」を示唆するシグナルは全く出ていません。
つまり、現時点の業績が堅調であることと、株価の動向にはあまり関係がないということです。株価は先行指標であり、現在を表すものでないからです。過去の例で言えば、リーマンショックの最中に、ある上場会社の社長がテレビに出演し、(株価が示すほど)そこまで受注が落ち込んでいるとは営業部隊から全く聞いておらず、ファンダメンタルズは堅調と発言していました。数ヶ月後に同社は劇的な不況を体感することになったのです。このように、後から見れば株価が先に行っており、正しかったということになるケースが多いようです。
短期的な反発は期待できるが、まずはじっくり上昇転換のサインが出るのを待ちたい
一方、それでも株価は大きく下落してきましたので、短期的には売られ過ぎとの兆候はでています。騰落レシオは72.9とかなり下がってきました。それよりも重要な信用評価損益率からは、まず買い残の評価損が-16%を超え、8月25日に記録したアベノミクス相場の最低値、-18.87%に迫っています。民主党政権時代にはこれくらい下がったこともあるのですが、アベノミクスではありえない下げ位置であり、逆張り派としては買いポイントとなりえます。一方、買残と売残の差は8.74%で、こちらは買いの目安である10%の買いポイントまであと一息という様子です。ただ、これらは、いずれも数日単位の超短期的な見方です。
もう少し長い相場判定としては、現在のところ下落トレンドが続いているというところだと思います。 では、どこで買えば良いかと言うことですが、日経平均急落!どこまで下がる?でも書きましたが、むやみに安値を飛びついて買うのではなく、一旦安値をつけてから反発し、そこからの下げにも再びしっかり首を振って反発し、直近の高値を出来高を増して上に抜ける、上昇転換のサインが出るのを確認してから買い出動するのが良いのではないかと思われるところです。
参考:日本株通信
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