モタードというクロスオーバースタイル
ドゥカティのラインナップ中でも異彩とも言える存在感を放つモデル、それがこのハイパーモタードです。トム・クルーズとキャメロン・ディアスが共演したハリウッド映画『ナイト&デイ』で、ふたりが乗っていたバイクとしてご存知の方もいるのではないでしょうか。新しいストリートバイクのスタイル「モタード」をドゥカティ流に解釈したソリッドなモデルなのですが、まずは「モタードって何?」という部分からご紹介しましょう。
1970年代のアメリカのバイクレースシーンから生まれたモタード。ボディはオフロードバイクの骨格を用いて、本来ならばブロックタイヤを備えた大柄なホイールのところに、14インチから19インチサイズのホイール&ロードタイヤを備えたクロスオーバースタイルのバイクを指します。ヤマハから出ているオフロード仕様の「WR250R」とモタード仕様の「WR250X」を見比べれば一目瞭然。ダート30%/オンロード70%という混在サーキットをこのモタードで走る遊びが日本でも流行っているのです。
日本メーカーが販売しているモタードモデルは排気量250ccがオーソドックスなのですが、401cc以上のモデルをラインナップするドゥカティが生んだハイパーモタードは821cc。日本人にとってはミドルビッグとも言えるサイズ感で、当然パワーから何からビッグサイズ。さらに、今回紹介するハイパーモタードSPは、公道はもちろん、サーキットなどでの使用も見越した上級者モデルなのです。
スーパースポーツバイクなど、これまでもこれからも“速くて美しいバイク”を手がけてきたイタリアのメーカー、ドゥカティ。メーカーとして初挑戦となったモタードというカテゴリーにも、これまでの実績をしっかり落とし込んだスポーティな仕上がりになっています。「ハイパー」という冠にも納得の一台ですね。
それでは、次ページにてハイパーモタードSPの試乗レポートをお届けしましょう。
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