2015年モデルでは読書体験が格段に向上
電子ペーパーディスプレイを搭載するKindleでは、これまでマンガを読むのに向かないと考えていました。しかし、2015年モデルの登場で考え方が変わりました。冒頭で指摘したページ送りの速度は、ディスプレイの応答速度が向上したおかげで自分のテンポで読み進められるようになり、マンガの世界観に没入できます。また、電子ペーパーディスプレイは絵や文字が小さいとにじんだように見えますが、これも高解像度化によって解消され、白さが際立つディスプレイとあいまって見やすくクッキリと表示されます。
見易くクッキリ表示されるKindleのディスプレイ
2015年モデルのKindle Paperwhiteは、2012年モデルとはまったく異なる読書体験をもたらします。大差のない見た目なので、正直言うと2015年モデルには期待してなかったのですが、良い意味で裏切られました。
しかし、大きさが要因の限界が……。
電子書籍リーダーはKindle Paperwhiteが決定版で、iPadは不要になるかと言えば残念ながらそうではありません。マンガを読むのにどちらを使うかと聞かれたら「iPadを選ぶ」と答えます。その理由は画面サイズ。Kindle Paperwhiteのディスプレイサイズは、文庫本と同等の6インチです。これでマンガを読むと単行本よりも小さく表示されるので、文字や絵が読みづらい場面もあり、目に負担がかかります。一方のiPadのディスプレイサイズは9.7インチで、単行本より大きいコミックで使われるB6判やB40判をカバーしており、紙と変わりなくマンガを読みことができて読書体験が上回ると感じるためです。
2015年モデルのKindle Paperwhiteは、筆者が持っていたKindleに対するネガティブな印象を覆しました。しかし、大きさが要因になる部分は致し方なく、これだけは大きくなる以外に解決策がないので、次の一手に期待したいと思います。