子育て/子育てに役立つ最新心理学

のび太は何故サボる?ドラえもん流やる気アップ術(2ページ目)

今も昔も大人気のアニメ「ドラえもん」には、のび太とドラえもんを中心とした日常が描かれています。この記事では、「やる気がない」「根性がない」と言われ続ける、のび太にフォーカスを当て、やる気のなさはどこから来るのかを検証します。そこから見えてくる、子供のやる気、根気アップのヒントをさぐりましょう。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド


検証3:ママが叱り過ぎるから?
ママの期待度の低さによる影響

のび太のママのイメージといえば、叱り顔ではないでしょうか? 登場するたび、いつものび太をガミガミと怒っていますよね。たとえば、

「あなたは今、何歳だと思っているの!」
「まだ終わらないの?」
「どうせ3日坊主ですぐやめちゃうんだから」
「また0点!」
「今日は50点、めずらしいこともあるものね」

すべてのフレーズに共通しているのは、のび太のことを「できない」というレッテルを貼って常に見てしまっていること。のび太ママの叱り方の特徴はここにあります。「どうせムリだろう」と、はなからあきらめてしまっているのです。

もし周りから、「どうせできっこない」「3日坊主なんだから」という目で見られていたら、のび太でなくても、「や~めた」となってしまうもの。もともと期待されていないと分かると、内なるやる気に火がつきにくくなってしまうのです。

子供を信じるということは、育児で非常に大切なポイントです。子供は信頼されているという実感があると、その期待に応えようするからです。とくに、子供のやる気アップには、親からの信頼が欠かせません。


のび太の自己肯定感への影響

そんなグウタラなのび太に、ママはさらにこんなお小言をつけ加えます。

「宿題やったなんて、うそばっかり」
「よくも毎回毎回同じことを注意されて」
「どうしていつもだらしないの」
「なんでもやりっぱなしにして」

これらは、全体否定の言葉。「なにもかも」「いつもいつも」と、のび太のやること全て、そしてのび太自身を全体否定してしまっています。子供を全体否定する言葉というのは、その子の自己肯定感や自己効力感を下げてしまうので、さらにやる気は低下していきます。

ママがしつこく叱るのも、のび太を奮起させたいから。でも結果的に逆にやる気を喪失させてしまっているので、いつまでも負のスパイラルから抜け出せません。

次ページでは「やる気アップに導くコツ」について、考えます。
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