検証3:ママが叱り過ぎるから?
ママの期待度の低さによる影響
のび太のママのイメージといえば、叱り顔ではないでしょうか? 登場するたび、いつものび太をガミガミと怒っていますよね。たとえば、「あなたは今、何歳だと思っているの!」
「まだ終わらないの?」
「どうせ3日坊主ですぐやめちゃうんだから」
「また0点!」
「今日は50点、めずらしいこともあるものね」
すべてのフレーズに共通しているのは、のび太のことを「できない」というレッテルを貼って常に見てしまっていること。のび太ママの叱り方の特徴はここにあります。「どうせムリだろう」と、はなからあきらめてしまっているのです。
もし周りから、「どうせできっこない」「3日坊主なんだから」という目で見られていたら、のび太でなくても、「や~めた」となってしまうもの。もともと期待されていないと分かると、内なるやる気に火がつきにくくなってしまうのです。
子供を信じるということは、育児で非常に大切なポイントです。子供は信頼されているという実感があると、その期待に応えようするからです。とくに、子供のやる気アップには、親からの信頼が欠かせません。
のび太の自己肯定感への影響
そんなグウタラなのび太に、ママはさらにこんなお小言をつけ加えます。「宿題やったなんて、うそばっかり」
「よくも毎回毎回同じことを注意されて」
「どうしていつもだらしないの」
「なんでもやりっぱなしにして」
これらは、全体否定の言葉。「なにもかも」「いつもいつも」と、のび太のやること全て、そしてのび太自身を全体否定してしまっています。子供を全体否定する言葉というのは、その子の自己肯定感や自己効力感を下げてしまうので、さらにやる気は低下していきます。
ママがしつこく叱るのも、のび太を奮起させたいから。でも結果的に逆にやる気を喪失させてしまっているので、いつまでも負のスパイラルから抜け出せません。
次ページでは「やる気アップに導くコツ」について、考えます。