会議室にバーチャル水族館が登場
オフィスの1階には記念撮影スポットも。
従業員の家族や親族を会社に招待し、職場環境を知ってもらう目的で実施されている“ファミリーデー”。近年日本でも多くの企業が導入している取り組みで、日本マイクロソフトでは今年5回目の開催となる。
2015年度の参加者は、同社品川オフィスに在籍する従業員約2600名(2015年7月現在)に対して、369家族・1382名。自身の家族に加えて、両親も招待している従業員も少なくなくないようで、家族だけでなく“親族”にとっても非常に楽しみなイベントとなっていることがうかがえた。
ふだんはビジネスの会話が飛び交う会議室も、この日だけはファミリーを楽しませるための楽しい空間に早変わり。Surfaceを使った天体観測ワークショップを始め、社員IDにそっくりなカードを自作できるコーナー、Skypeを使った英会話体験など、マイクロソフトのコンテンツを活かしたアクティビティが各所に設けられ、子どもたちの行列ができていた。なかでもいちばんの人気だったのが、“チームラボ お絵かき水族館 Powered by Windows 10”だ。
魚の輪郭が描かれたぬりえ用紙に色を塗ったり模様を入れて、それをPCでスキャンすると、スクリーンに映しだされた水槽上でそのぬりえが泳ぎだすというもので、動作はすべてWindows 10上で処理。ぬりえというアナログな遊びと最新技術の融合は、子どもたちにとって、夏休みの思い出のなかでもとくに印象深いものとなったことだろう。
社員IDを作成できるコーナーも大人気。
ちなみにファミリーデーでどういった催しを用意するかは従業員たちがみずからが考えているそうで、もちろん当日対応するのもマイクロソフトの社員。家族だけでなく、従業員どうしの親睦を深める点でもファミリーデーはひと役買っているようだ。
平野社長の部屋には、ナニもない……!?
従業員の家族と親睦を深める平野社長。
多くの家族で賑わう社内には、今年の7月に代表執行役社長に就任した平野拓也氏の姿も。従業員の家族や両親に挨拶してまわり、写真撮影にも応じるなど直接親睦を深める平野氏はファミリーデー開催の意義について「家族に職場を見てもらうことで、家族の絆も深りますし、社員のプライドにもプラスになりますよね」と話す。また、報道陣向けに社長室のお披露目もしてくれた。
日本マイクロソフトの社長ともなれば、棚にはズラッとビジネスの資料が並び、机には処理を待つ書類がドッサリと積まれ……という光景を想像したくなるが、平野社長の部屋は驚くほどものが少ない。というか、棚はほぼ空っぽで、机のうえにはPCや電話機といった最低限のビジネス機器があるだけ。
もちろんこれには理由があって、社内のペーパレス化をみずから率先して実践しているため。日本マイクロソフトでは他にも座席のフリーアドレス制(従業員の席を固定しない)に取り組むなどして、社内業務の効率化を図っているそうだ。
社長室からいくつかのデスクを挟んだ対面にあるのは、樋口泰行代表執行役会長の部屋。同じくペーパレス化の推進によって整理された会長室で取材に応じた樋口会長は「ファミリーデーのような、学校以外で体験することは子どもにとって本当に強烈なことだと思います。また、両親も感動してくれるのはうれしいこと」とコメント。
平野氏の社長就任に伴って、会長職に就いた樋口氏。当時にくらべて少しは肩の荷が降りたのでは? という取材陣からの質問には「いまは違う種類の肩の荷がありますね」と少し笑いながら答えていた。
なお今回のファミリーデーに続いて、日本マイクロソフトでは2015年8月24日~28日まで“テレワーク週間 2015”を実施予定。これは同社が全社を挙げて「日本におけるテレワークの推進への貢献」を目指し、651の法人(企業、自治体、社団法人など、2015年8月10日時点)からの賛同も得て連携して実施するもので、期間中は品川オフィスで各法人が様々なテレワーク推進の活動を行うとのこと。