フォーカスをずらすと良いほめ方に!
ほめ過ぎが悪影響であるのなら、ほめるのをやめたり減らしたりすればOKなのでは、と思いますが、話はそう単純ではありません。「叱るよりもほめる」「ほめて伸ばす」が育児書でも推奨されているように、やはりほめることは育児になくてはならないもの。親に必要なのは、正しくほめるためのスキルです。では、どうどこをどうほめるのがいいのでしょうか?子供が100点を取ってきたら、親ならだれだって嬉しいもの。ほめたくなるのは当然です。もちろん、ほめていいのです。ただ、その際、フォーカスをずらすのがポイントです。
100点を取った背景には、必ず、その子の努力があります。
- この1週間、毎日、漢字ドリルをしたこと
- いつも見るテレビを半分にしたこと
- 苦手なところをママと一緒に繰り返し復習したこと
正しいほめ方は“時系列式”
育児書などでも、「結果ではなくその過程をほめると良い」と推奨されていますが、まさにそれです。結果である「100点」にばかり注目するのがNGなのであって、そこに至る過程をしっかりとほめてあげることは非常に大切です。コツとしては、
- テレビやゲームを減らした
- 毎日コツコツと頑張った
- 苦手を克服した
- 100点につながった
過去をほめの起点とし、現在へとたどることで、「100点」という結果にすぐに飛びつきたくなるクセを解消しやすくなります。また、時系列式のほめ方であれば、努力の意義を子供も再確認できるので、「次もまた今回みたいにがんばろう」と思え、やる気が持続しやすいのです。
過程をほめればモチベーションアップになるのに、結果をほめるとモチベーションはダウン。同じ嬉しい出来事でもどこに注目するかで、その後のモチベーションが変わってくるのです。子供の心をしっかりと理解したアプローチをしてあげたいですね。
時系列でほめる際のポイントは、
- 具体的にほめる
- 素直な気持ちを込めてほめる
■1の「具体的にほめる」の解説
「おりこうさん」「すごい」「えらい」などは、まさにありがちで、何にでも使えてしまうほめ言葉。これらの抽象的な言葉よりも、もっと具体的な”行動“や”心構え“に落とし込んだ方が、子供心にしっかりと伝わります。
「この間の金曜日、漢字ドリルを3ページもやったでしょ。あれが今回のテストで出たんだね」
「さっきの計算問題、すごく集中してやっていたね」
とお子さんの頑張りを具体的な言葉で表現していきます。
■2の「素直な気持ちを込めてほめる」の解説
子供のやり遂げたことに対し、「最高」「完璧」と大げさに賛辞を贈るよりも、パパやママの素直な気持ちを伝えた方が、子供には響くもの。
「ママ嬉しいな」
「パパ、涙が出そうだったよ」
とその時の思いを素直に言葉に表せたら、それは子供にとって最高のほめ言葉になります。
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