恋愛しなくてもいい派:恋愛よりも仕事のドキドキに夢中
独身だからといって、必ず恋愛が最優先とは限らない。
「今さらデートってめんどくさい。時間決めて待ち合わせして、映画観たりコンサート行ったり? そんなもん、ひとりで行けますよ(笑)。私は友だちがいればじゅうぶんだなあ。平日は仕事で忙しいし、週末はジム行ったり美術館に行ったりして、夜は友だちと食事やカラオケ。男友だちもいますし、行きつけの店に行けば誰か話し相手はいるし。そう考えると、恋愛してひとりに縛られるのは、ちょっとめんどう」
ミカさん(45歳)は苦笑しながらそう言った。苦笑の原因は、「恋愛がめんどうだと思っている自分がおかしい」からだそう。
「オンナを捨てているわけじゃないんですよ。だけど恋愛しなければオンナでいられないわけじゃないでしょ。正直言って、セックスだって、もうめんどうだなあという気持ち。ときめきって言うなら、仕事がいちばんときめくなあ。私、営業職なので、この取引がうまくいくか、この商談がまとまるかが、いちばんどきどきする」
恋愛みたいなプライベートなことより、社運がかかる商談のほうが、確かにドキドキ感は強いかもしれない。
恋愛しなくてもいい派:「寂しいから恋愛」に覚える違和感
もうひとり、恋愛いらない派の女性が、マサエさん(41歳)だ。「20代のころはさんざん恋愛したから、恋愛の楽しさも、ひとりの人と濃密な時間を過ごすすばらしさもわかってはいるんです。でも今の自分に恋愛が必要かと言われると、そうは言えない。実は母が脳梗塞で倒れて、認知症にもなりかけていて……。今は時間があったら、母と過ごしたい。いつか母を見送ってひとりになったら、と不安もあるけど、寂しいから恋愛したいっていうのも相手に失礼ですしね」
寂しいから恋愛したいのは失礼。マサエさんの言葉に胸を打たれた。自然に恋愛に発展するならともかく、確かに誰かといたいから恋愛したい、そのために相手を見つけたいというのは、不自然なのかもしれない。
恋愛は楽しいものだけでなく、ストレスにもなり得る。相手の気持ちを忖度して不安になったり、お互いに忙しくて会えないとイライラしたり。ただ、人とのコミュニケーションは欠かしたくない。それなら友だちでじゅうぶん、というか、むしろ友だちのほうが適度な距離で優しくできるのかもしれない。
オンナ40歳、人生折り返し地点である。
「独身で生きる」と決めたことが、人生をむしろアグレッシブに楽しむことにつながっていく可能性も高い。