親の日常姿勢から、子供の「命」の価値観が育つ
ペットや小動物の死に出遭う場面があれば悲しみ、お年寄りや弱い立場の人が困っていたら、手を貸しいたわる親の姿を普段から見ることで、思いやりの心が育まれたり、命のあるものを大切にすることを肌で感じていくでしょう。日々の生活の中で「命」について、考えることや大事に扱う場面に出遭ったとき、親がどのように対応し、子供にどのような言葉をかけるかによって、その子にとっての「命」の価値観が徐々に決まってくるのです。
「死んだらどうなるか」子供に聞かれたら、どう答えますか?
「死んだらどうなるの?」と子供に聞かれたら、あなたはどう答えますか?年齢が低い子供は、「死」について、永遠の離別、自分の目の前から見えなくなる、眠る、などの違いを、きちんとは理解できていません。
身近な高齢者が亡くなった幼稚園児親子が「死んだらお空のお星さまになるのよ」と答えた会話をご紹介します。
娘 「死んだら、みんなお星さまになるの?」
母 「そうよ」
娘 「そしたら、死んだらお空で会えるね」
母 「そうね。だけどもし、あなたが先に死んだらママは、お空を見て毎日泣いているわ……」
娘 「どうして?」
母 「だって、美味しいご飯があっても一緒に食べることができないし、冷たい風が吹いて寒くても、毛布もかけてあげれないもの」
娘 「じゃあ、ママが先に死んだら?」
母 「すごく歳を取って、歳の大きい人から順番に、あなたたちに囲まれて、死んでいくのは幸せなことなのよ」
娘 「ふ~ん、…………」
母 「お空から見守ってあげるから、ママが居なくなって寂しかったり、辛くなったら、お星さまを見なさいね」
娘 「いっぱいありすぎて、どれがママの星か分からない、ママ、お月さまの隣にいて!そしたら、見つけやすいから」
この会話で、「命」についてどこまで、子どもが理解したかは分かりませんが、「かけがえのない命」を感じるきっかけにはなっています。そして親が子を思いやる気持ち、それに反応して子が親を気にかける気持ちも会話の中でやり取りがなされています。
子供は誕生した瞬間、小さな口と鼻で一生懸命呼吸をし、誰に教えられるでもなくお乳を飲み、生きる力に溢れ、全面的に人を信頼して生きています。その純粋な生きる力や自分の命も人の命も大切にする気持ちを親は責任を持って、丁寧に育んでいきたいものですね。