皇室関係のお金についてご紹介します
先日、秋篠宮家の佳子さまがお一人で地方公務にあたられたご様子をテレビニュースで拝見しました。人気の佳子さま、これからご公務が増えそうですね。公務が増えると、佳子さまの収入が増えるのでしょうか? 公務1件でいくらの収入になるのでしょうか?……いえいえ、皇族の方々はタレントではないのですから、仕事1本につきギャラいくらという方式で収入を得ていらっしゃるわけではありません。
皇室関係のお金はいくら?
皇室関係の費用は「皇室費」といい、税金から支出されます。2015年度の皇室費は64億8500万円です。この金額は毎年、国会で決められます。皇室財産はすべて国に属し、皇室にかかる費用はすべて予算に計上して国会の議決を経ることと憲法で定められているのです。細かなルールは皇室経済法という法律で規定されています。皇室費は「内廷費」「皇族費」「宮廷費」の3つに分かれています。
皇室費の内訳
■「内廷費」は、内廷にある方々(天皇陛下、美智子さま、皇太子さま、雅子さま、愛子さまの5人)の費用で、2015年度は3億2400万円。
■「皇族費」は、皇族としての品位保持の資に充てるためのものとされ、各宮家の皇族に対して支出されます。宮家の皇族方は現在、秋篠宮家5人,常陸宮家2人,三笠宮家5人,高円宮家3人の15人です。15人分の合計で、2015年度は約2億3000万円です。
■「宮廷費」は、儀式、国賓・公賓等の接遇、行幸啓、外国ご訪問など皇室の公的な活動に必要な経費、皇室用財産の管理に必要な経費、皇居などの施設の整備に必要な経費などです。2015年度は約59億3100万円です。
皇室費のほかに、宮内庁費が約109億円、皇宮警察本部予算が約80億円あり、皇室関連の予算合計は約254億円。国民一人当たり約200円の負担となっています。
皇室の支出の内訳は?
気になるのは、各皇族に支払われた「内廷費」「皇族費」のうち、食費はいくら?被服費は?などの「支出の内訳」かと思いますが……、残念! 内廷費も皇族費も「御手元金」、つまり皇族の方々の私費扱いになり、宮内庁が経理上の管理をしませんので、使用内訳は公にされていません。宮廷費に関しては、宮内庁の経理する「公金」とされています。税金は?
皇室の方々の収入である「内廷費」と「皇族費」は所得税・住民税がかかりません。しかしそれ以外の収入、たとえば著作物から得られる印税収入や預貯金の利子、投資で得られる利益などには所得税・住民税がかかります。また、皇族が亡くなられた際には、相続税が発生します。昭和天皇崩御の際、課税遺産総額は約18億6000万円で、その2分の1を相続された香淳皇后は配偶者控除により相続税額は0円、残りの2分の1を相続された今上天皇は4億2800万円の相続税を納められたそうです。
秋篠宮家の家計は厳しいの?!
佳子さまが話題になる中で、時々、「秋篠宮家の経済事情は、一般の人たちが想像するほどの余裕はない」という話が聞かれます。秋篠宮家の皇族費はいくらなのでしょうか。各宮家に支払われる皇族費の額は、家族構成によって決められます。2015年度の当主の基本定額が3050万円、妃殿下にはその半額の1525万円、成人したお子様方は基本定額の10分の3の915万円、未成年のお子様は基本定額の10分の1の305万円です。
これに当てはめると秋篠宮家に支払われる皇族費は6710万円です。生活費も学費もこの中から支払われています。ただし秋篠宮は赤坂御所の官邸にお住まいのため、住居費はかかりません。皇位継承順位が3位の悠仁さまの学費は、宮廷費から支払われることになるかと思われましたが、秋篠宮さまが「特別な配慮は不要」と断り、秋篠宮家の私的経費の皇族費から支出することになりました。
5人家族で6710万円の収入と聞けば羨ましく感じますが、ご公務の多さや責務の大きさ、悠仁さまへの特別な教育などを考えると納得できる金額にも思えます。単純な比較をすべきではないのでしょうが、「内廷費」が5人分で3億2400万円であるのに比べると、厳しい家計とも言えるでしょう。