祖師谷大蔵にオープンした「リムヴェール・パティスリーカフェ」
2015年5月21日、祖師ケ谷大蔵駅から徒歩1分の“ウルトラマン商店街”内にオープンした「リムヴェール・パティスリーカフェ」。店名の「リムヴェール」はフランス語の「Vert lime(ライムグリーン)」を元にした造語で、新緑の黄緑色をイメージして名付けたそうです。
シェフパティシエの高山浩二氏は、芝のグランメゾン「クレッセント」から修業をスタートし、「成城アルプス」などを経て、「浦和ロイヤルパインズホテル」、「パティスリー・アプラノス」で朝田晋平シェフに師事し、その右腕を務めました。2010年に中国・上海で開催された「第3回アジアン・ペストリー・チーム・コンテスト(APTC)」ではチーム総合優勝を果たし、チョコレートピエス部門賞受賞も受賞しています。
高山シェフのお菓子は、フランス菓子をベースとしつつ、枠にしばられない自由な発想が特徴です。オープン以来、続々とラインナップを増やし、季節に応じた生菓子はもちろん、得意とする焼きっぱなしのタルトやヴィエノワズリー、塩味のアイテムまで幅を広げています。たとえば、バジルやカルダモンを使った新作や、南仏の地方菓子「トロペジェンヌ」など、高山シェフがこれまでに出会って自分自身が美味しいと感じた素材やお菓子に、意欲的にチャレンジしている様子が伝わってきます。
そんな高山シェフの代表的なガトーの一つが「メール」。アールグレイが香るミルクチョコレートのムースに、アプリコットのジュレとクリームをサンドした構成で、キャラメリゼした胡桃がアクセントになっています。杏の酸味とミルクチョコレートのやさしい甘さにアールグレイの清々しさ。爽やかでいながら胡桃やキャラメルのコクも加わり、春夏秋冬といただきたくなるような、味わい深いお菓子です。
コンクールではチョコレートの大型細工に取り組み、チョコレートのお菓子も得意とする高山シェフ。濃厚なチョコレートガナッシュとフランボワーズのジャム、チェリーリキュールのシロップを隠し味としたアーモンド入りチョコレート生地を重ねた「ショコラフランボワーズ」も、人気の高い一品です。
アジア大会優勝作品のガトーをアレンジした、チョコレートムースの間に酸味あるフランボワーズジャムとレアチーズを挟んだ「エース」もお見逃しなく。
こちらは、高山シェフが、最初の修業先であった「クレッセント」で柳正司シェフ(現「パティスリー・タダシヤナギ」オーナー)に師事した際に、一番好きだったというガトー「アールグレイ・アンペリアル」を元にしたもの。ショコラとアールグレイという組み合わせは同じですが、胡桃を入れてオリジナルアレンジ。配合も自分流に変えているそうで、ショコラのムースの軽さなど、師匠である柳シェフとはまた異なる方法で表現しています。
夏季限定で2種の「パフェ」も登場しています。旬のフルーツを使用するため、内容は変わっていくそうですが、7月に取材に伺った時には、一つは「紅茶とメロンのパフェ」でした。赤肉メロンのソルベと緑のメロンに、色鮮やかなローズヒップティーのジュレを合わせてあり、見た目もカラフルで華やか。私もこれまで見たことがなかった、ちょっと珍しい組み合わせでしたが、ローズヒップの酸味がメロンの甘さを引き立て、アールグレイのアイスが爽やかに全体をまとめていました。こちらは、じきに桃に変える予定とのことだったので、本当に一期一会。出会った時にいただいておかなくてはなりませんね。
もう一つの「ココナッツとマンゴーのパフェ」は、定番人気でしばらく続きそうです。ココナッツのアイスにたっぷりのマンゴーソルベや果肉とソース。ここにパッションフルーツジュレを加えているのが、高山シェフらしい酸味使いのアクセント。南国フルーツの華やかな味と香りを、ミルクプリンがやさしく受け止めます。
どちらのパフェにも、ガリガリッとした食感とほのかなシナモンの香りが特徴的なクランブルが底の方に忍ばせてあり、食感のアクセントになっています。
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