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黒い雲の接近は天候の急変を表す。



気象衛星「ひまわり8号」によって変わる気象情報

今年7月7日、現在世界一の性能を誇る静止気象衛星「ひまわり8号」の運用が開始されました。これまで30分に一度しか送られてこなかった気象情報が2分30秒という短い時間に送られてきて、さらに世界初となるカラー画像の写真を撮影できるようになりました。

これによって何が変わったのかというと、これまでは予測が難しいとされていた急激に発達する積乱雲の動きや、降雨予測、台風の動きもより正確に把握することが出来るようになり、局所的豪雨(ゲリラ豪雨)の発生予測や、各種警報などもより早く、正確に行うことが可能になります。今後は気象庁のデータを元に開発されている、様々な気象予測ソフトやアプリなどにもこのデータが反映されるため、これからは、一般の人もより使いやすく、役に立つ情報が手に入るようになります。


台風と竜巻

梅雨明けと同時に、日本列島は猛暑日が続いていますが、気温の上昇とともに、各地で「大気が不安定」と呼ばれる状態が発生します。大気温の急激な上昇、寒暖差のある大気のぶつかりなど、積乱雲の発達する条件が整えば、局地的な豪雨、強風、雹(ひょう)などの気象現象が発生する可能性が高まります。そして一定の条件の下に強風とともに被害が大きくなる「竜巻」が発生します。日本国内では海岸沿いや背後に山麓を抱えた平野部などで発生する可能性が高まりますが、原則的にどんな場所でも積乱雲が発達すれば「竜巻」現象は発生します。

近年でも、国内でF2(風速50m/s~69m/s)やF3(風速70 m/s~92 m/s)の強大な竜巻がしばしば発生し、車や家屋が破壊されるような被害も発生しています。また台風の接近によって、比較的離れた地域で積乱雲が急速に発達するケースも多く見受けられ、まだ本体が遠いからと安心せずに、竜巻発生の前兆現象を感じたら、早めに準備をして頑丈な建物の中に屋内退避をするようにしましょう。


突風・竜巻の前兆現象を知る

竜巻の発生しやすい状況(積乱雲の発生しやすい状況)というのは前述のように「台風の接近」「前線の存在」「急激な気温上昇」などですが、これは今や気象庁の雨雲レーダー画像や、各種の気象情報アプリなどでインターネットやスマートフォンから簡単に手に入れることが出来ます。そして天気予報などで「大気が不安定」というような言葉が使われたならもう危険信号と考えましょう。

体感で前兆を感じるポイントは夕方になってもいないのに「急にあたりが暗くなる」(黒い雲が近づいてくる)「大粒の雨、または雹(ひょう)が降り始める」「カミナリが発生する」「夏なのに冷たい風が吹き始める」「ゴーという音が遠くから聞こえる」などです。

黒い雲の底から漏斗(ろうと)状の雲が垂れさがってきたら、まさに危険はすぐそこに迫っています。すぐにでも頑丈な建物の中に避難しなければなりません。この時、物置やプレハブ、簡易的な車庫のような場所に逃げ込んだりしないように。建物ごと飛ばされてしまったり、建物の破壊によって被害を受けてしまったりする可能性があります。


強風被害を逃れる離島の知恵

室内においても、強風被害を受けないためには家屋の二階よりも一階、窓のある部屋よりもない部屋にいたほうが被害の可能性が少なくなります。雨戸やシャッターがある場合は事前にきちんと閉めておくこと。部屋に吹き込んだ風の圧力によって、家屋の屋根が吹き飛んでしまうような被害も発生しています。竜巻や台風の風そのものではなく、ベランダや家の周囲に置いてあった植木鉢や物干し棹など飛来物によって窓ガラスが被害を受ける可能性もありますので、強風被害の発生確率が高まったら、少なくとも前日には家の周囲やベランダ等の物を片づけて、室内に取り込んでおかなければなりません。屋外で逃げ込めるような建物がない場合は、通り過ぎるまでの間、身を隠せるような側溝を見つけて飛び込むしかありません。

毎年、多くの台風が直撃し、強風を経験する沖縄をはじめとする離島では、風速30 m/s~50 m/s程度の風などはさほど驚くに値しませんし、人的被害などはほとんど発生しません。もちろん毎年の強風を前提に頑丈な家づくりをしているということもありますが、台風が近づいたなら無用の外出を避け、早めに屋内避難をすることが習慣づけられているためと考えられます。この季節、強風のリスクを楽観視することなく、被害を避ける行動を心がけましょう。

強風被害に備える5カ条

・気象情報を常に身近に手に入れるような習慣を。
・「台風」は遠くにいても「竜巻」は発生する。
・キーワードは「大気が不安定な状態」。
・「黒い雲の接近」「冷たい風」など前兆現象に注意。
・家の周囲の整理整頓、早めの屋内退避をしよう。

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