成犬・成猫から飼う場合のケース分類
成犬・成猫から飼う場合のケース分類
途中から飼う場合のケース分類
途中から飼う場合のケースとして、以下のような事例が挙げられると思います。1:NPO団体などの譲渡会で手に入れて飼う
2:友人や親戚の飼えなくなった犬猫を飼う
3:道で拾った犬猫を飼う
【1】の場合、すでに避妊・去勢手術がされているものや、獣医師による健康チェックがなされているものもあります。2も飼主さんから情報がある程度きているので、どんな性格かなど聞くことができます。
【3】については、全く情報がないのでまず健康診断が必要です。先天的な異常があるため捨てられた場合もあるので、まず獣医師に相談してください。子犬・子猫の場合、寄生虫や伝染病を持っている場合もあります。
ここで筆者の経験について少しお話しさせてください。
私は分類【2】の、知人から依頼された犬をしばらく飼ったことがあります。それは約半年の柴犬でした。大変血統のよい犬でしたが、頸部がやや曲がっているという先天的な異常がありました。
父の友人が柴犬の雄雌を飼っておられ、その子供の1頭でした。他はすべてもらわれていったとのことでした。当時住んでいた家には庭もあり、何とか飼えるかと思いましたが、前の飼主にあまりにもなついていて、私たちには最後までなつきませんでした。
何度か逃走を試み、保健所のお世話になること2回、最後は紐を噛みちぎってとうとう行方知れずになってしまいました。
これがレトリバーなどの犬種であれば、ある程度何とかなったのかもしれませんが、飼主に忠実な柴犬だったのがよくなかったかと、今でも残念です。そうした痛恨の思いで、新しくこうした犬をもらって飼おうという飼主さんにいくつか注意事項を挙げておきたいと思います。
1:飼育環境とペットにかけられる時間をよく検討する
新しく子犬や子猫を飼うときと同じです。飼える環境は整備されているでしょうか? もらった犬や猫だからといって、環境がいい加減では可哀想です。その性質をよく調べ、どのくらいの時間をかけて世話ができるかを検討してください。また、トリミングに費用のかかる犬種もあります。ワクチンやフィラリア予防はもちろんのことです。2:病気にかかっていないかを詳細にチェック
先に述べましたように、【3】の場合はまず獣医師に診せて下さい。不用意に拾った犬の持っていたパルボウイルスで、すでにいた2頭が死んでしまったというケースもあります。拾うときはよく考えてください。また以前、大変美しいコッカースパニエルを拾ったという方がありましたが、噛み癖のある犬でした。結局飼うことができなかったようです。
3:あなたがナンバーワンになれなくても大丈夫ですか?
犬は生後半年の間に飼い主と強い絆ができ、それは生涯なくなることがありません。私の飼った柴犬も、父の友人を飼主と認めていたために、何度もそこに帰ろうとしたのでしょう。犬種によって、あなたがナンバーワンになれないものがあります。
それでも飼っていこうという方だけが、この「途中から飼う犬」の主人となることができるのです。前の飼主が訪ねてきたときの喜びようなどをみて、「俺はただの餌やり係か?」とか「毎日散歩させてる私ってなんなの?」とか思われこともあるかもしれません。それも覚悟の上でしょうか?
しかし、良くない面ばかりではありません。上手に犬と出会うことができれば、とても良い犬種を飼うという得難い経験もできます。
私の知人はボルゾイを飼っています。
「すごい犬を飼ってますね。高かったでしょう?」と聞くと、
「もらった犬なのでお金はかかってません」との返事です。
なんでも前の飼主がレトリバー2頭とそのボルゾイを飼っていたのですが、レトリバーが組んでボルゾイをいじめたそうです。飼主もそこに全く配慮がなく、一時は餌をほとんどレトリバーたちにとられて、とても痩せていたそうです。写真を見せてもらいましたが、今の飼主さんのお宅でとても幸せそうでした。
こうした良い出会いがたくさんあることを願っています。
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