結婚願望のなさが不倫につながる
恋よりも仕事。だからこそ、仕事と両立できる不倫の恋をしていた?
「毎週末、デートしていても、何かが実になったという感覚がない。それなら仕事につながるセミナーに行ったほうがいい。仕事人間なんですよね、私。だから仕事に邁進している男性に気持ちがいくし、その人が持っている知識を吸収したくなる」
ところが30歳を越えたとき、意識が徐々に変わってきた。
「結婚していながら独身の女とつきあう男性は、所詮ズルい。もちろん、そんなことはわかっていたけど、自分が30歳を越えたら、そのズルさがよく見えるようになったんです。周りが結婚ラッシュだったから、私も結婚についてあれこれ考えることが増えたせいがあるかもしれませんね」
結婚を意識したとき、彼女の中で不倫への意識が変わった。
「半年ほど前、つきあっていた不倫の人と別れました。『結婚を考えるから、別れて』と言ったら、彼は泣いていましたけどね。ここで情にほだされたら、私はいつまでたっても、不倫から抜け出せない。本気でそう思ったんです。結婚願望が強くなったわけではないから、特に結婚を焦っているわけでもありません。ただ、結婚していく友だちを見ていたら、立場が同じ人とつきあって、一緒に成長していく楽しさもあるのかもしれない、と思うようになったんです」
結局、自分が幼かったから、相手にオトナを求めていたのかもしれない、とユカリさんはつぶやいた。目から鱗が落ちるような一言だ。
自分が大人だから同世代が幼く見えるわけではなく、自分が幼かったから年上の男を求めていた……そう実感できるようになったら、不倫の恋から抜け出せるのかもしれない。
不倫ループから抜けられない女性は、男に求めるものが多すぎるのではないだろうか。損得抜きで、立場が同じ人と手を取り合って生きていく楽しさも、世の中にはあるのだと思う。